idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

先生はなぜ「挙手」が好きなのか

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マスクは大事ですな。(東京・小平市で、マツミナ撮影)


  

 先生はよく手を挙げさせますね。何のためにやっているのでしょうか。

   挙がっている手を見れば、先生にとっては「わかった子」がわかる。子どもにとっては「授業に参加している」気にさせる。どちらにもメリットがありますね。ただし、挙手をしている子どもに限っての話です。手を挙げていない子どもにとってはどうでしょう。学年が上がるにつれて挙がる手が少なくなり、高校ぐらいになるとクラスで1人いるかいないかです。わからないからなのか、「格好つけて」「いい子ぶって」と思われるのが嫌だからなのでしょうか。

 それでも相変わらず先生たちが挙手を求めるのは、なぜでしょうか。「アクティブな授業を作っている」雰囲気が生まれるからでしょうか。いずれにせよ、おかげで大学生たちもちっとも手を挙げなくなっています。

 

   そうした「手を挙げない」習性(?)を利用してみました。東京中小企業家同友会から企業を広報する動画作成への協力依頼をいただきました。いくつかの企業にインタビューして動画を作り、YouTubeにアップするという内容で、費用は同友会もち。同友会の企業経営者たちはほぼ毎回ClassQに参加しているので、学生たちと面識もあります。それでも、まともに聞いたら手は挙がりません。そこで、「参加したくない人いる?」と尋ねました。手は挙がりません。「じゃ、みんな参加したいのね」と念を押し、数人の学生を指名しました。なぜか指名された学生たちは嬉しそうでした。

 授業後に学生たちに必ず書かせている「リフレクションシート」を見て、納得しました。「新しい経験をしたかったけれど、手が挙げられなかった」。中には「指名してくれてありがとうございます」と書く学生もいました。

 「挙手」が「手を挙げさせない」ことを狙っているのなら、その効果は絶大みたいです。おかげで、学生たちを新しい出会いが待っている場に押し出すことができました。でも、何だかもやもやしたものが胸に残っています。(マツミナ)