idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

質問を100倍楽しくする魔法のカード

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ミニ情報カードを使って、思考を広げる


 今日は、質問づくりが100倍楽しくなる100均グッズを紹介します。

 質問は苦手、頭がカタイとお悩みの方、ダイソーの「ミニ情報カード」*はいかがでしょうか。名刺サイズのカードで、頭の整理にはもってこいのスグレモノです。ClassQの学生にも勧めています。前は大きめの付箋を使っていましたが、並べ替えのしやすさで勝負ありです。

 使い方は簡単。頭の中の言葉をどんどん書き出して、床やテーブルの上に広げていくだけです。筆記用具には、太めの黒サインペンがいいですよ。俯瞰する際にも難なく読めますから。

 質問づくりに欠かせないのは、目の前の情報を分解することです。大きな知の塊を丸ごと飲み込もうとすると、消化不良を起こします。前にイデちゃんが言っていましたね。そこで単語に細かく分けていく。不思議なことに、分解すると隠れていた言葉が浮上してきます。それもすかさず情報カードに書き留めていくと、さらに思考が広がるのです。分解し、分類し、見下ろす。そしてまた並べ替えて、言葉同士の組み合わせを変えて、新しい質問を作る――そんなプロセスをカードが助けてくれます。

 写真は、Qゼミ生が広げたカードです。ゼミ生は「なぜ防衛問題への関心が低いのか」と問題意識を持ち、私が勧めた本を片っ端から読み進めている最中です。「敗北を抱き締めて」(ジョン・ダワー)、「閉ざされた言語空間」(江藤淳)、「黄禍論」(廣部泉)、「アメリカの世紀と日本」(ケネス・B・パイル)……。入れたら出す。自分で書いた要約のノートを片手に、キーワードを書き出し、論文の柱になる質問を作ろうとしています。

 ちょっと脱線します。好奇心ってすばらしい。ゼミ生は初め「あまり本を読んだことがない」と心配していましたが、あっという間に読破しました。好奇心がページをめくらせ、章ごとの要約まで難なく書かせました。「スラスラ読めた」と満面の笑顔です。

 

 学生に受けるのなら、企業人でもいけるかも。というわけで昨夜は、企業人が参加するClass Qに持ち込みました。上智大学のだだっ広い会議室に、数人が集まりました。教材は、中国の海軍力増強や領海侵犯に関する記事。尖閣諸島付近で漁をする「石垣市の漁師になりきって」読み、質問を作ってもらいました。

 分解が苦手なのは、人生経験の豊富な企業人も変わらないようです。たとえばこんな質問がありました。

 〈海の安全を確実に守ってくれるのか〉

 「海・安全・確実・守る・くれる」と大雑把に分解して、カードに書き出してみると「海」の「安全」を「守る」とは、「誰が」「いつ」「どんな態勢で」などと見えなかった言葉がいくつも出てくるのです。「確実」という「レベル」はどういう「状態」か、という質問も出ます。「おー、面白い」とどよめきが上がりました。

 

 ちなみに情報カードにはB6サイズもあり、こちらもお勧めです。新聞記事のスクラップに使えます。スクラップブックは貼った後の分類が難しいけれど、これならいくらでも入れ替えができます。こちらもダイソーでどうぞ。宣伝費をもらっているわけではないからね。念のため。(マツミナ)

 

*「アウトプット大全」(樺沢紫苑、サンクチュアリ出版)を参考にしました。精神科医の樺沢さんは「人生を変えるのは、アウトプットだけ」を提唱し、自身も毎日3時間以上の執筆を11年以上続けています。発想を広げる際に使うのが、ミニ情報カードだそうです。