idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

可能性のかたまり

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チームごとに書いたホワイトボード

 「あなたにとって、いい先生とは」と問われても困るなあ。私にとって「いい先生」は、わかったような気にさせるけれど、実は全然わからない「マジックワード」です。時代や地域、さらには人によって意味が異なる扱いにくい言葉なので、私自身は使いません。でも、あえて定義するなら「子ども(生徒や学生)の可能性を信じる先生」としますかね。

 

 昨日は帝京、上智の学生たちと、「マラソンQ」を開きました。入学前にオンラインで「質問力を磨く」を受講していた新入生たちも参加しました。

 読売新聞の記事を自分以外の誰かになりきって読み、質問をつくるのは、いつもと同じ。違うのは、図書館で参考図書を必ず1冊読み込んで、質問を磨き、作り直す点です。それも5時間かけて。

 昨日の記事は、「匿名の悪意ママ襲う 感染源扱い 非難1日数百件」。

 昨年亡くなった志村けんさんに「コロナをうつした」として、北新地のクラブのママに対し、1日数百件の非難メッセージが殺到した事件を報じていました。これをコロナ感染者の視点で考えます。

 出てきた質問は「なぜ根拠のない話を広めるのか」「どうして人はSNSで中傷するのか」「なぜSNS上でストレスを発散するのか」……。表現は異なるけれど、どのチームにも共通するのは、SNSにこうした内容を書き込むのは「悪意」のある「ネットリテラシーのない若い人」でした。

 これは先入観のなせるワザです。「SNSに書き込み=悪意」と思い込んでしまったのでしょう。実際は「正義感」から書き込むケースもあり、中には「年配者」もいますから。そのことを学生に指摘すると、全員がリフレクションシートにこの言葉を書き込んできました。

 「誹謗中傷というだけで、悪意と決めつけていた。実際はその人にはその人の考えがあってしたことかもしれないのに」(2年生)、「反論できなかった。全てのチームが自分の先入観を根拠にした発表になっていたからだ。どうしたら色メガネを外すことができるか」(3年生)

 「潜入感」という新語でつづってきた1年生も複数いました。忍者やスパイみたいにするりと入り込み、そのまま居座る感情でしょうか。この言語感覚、面白い。しかも、この表現を使った学生はいずれも「潜入感を4年間かけて追究したい」「潜入感をなくした目で物事を見極めたい」と熱く決意を記していました。

 

 誤字脱字、一体なんと読んだものかわからない文字もあります。それでもどのリフレクションシートも、ひたむきに学ぶ姿そのものです。卒業時には、どんな文章をどんな文字で書く学生になっているのでしょうか。学生は可能性のかたまりだと実感します。(マツミナ)