idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

悪貨は良貨を駆逐する

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大きくなりました。直径170センチ(イデちゃん)


 「いい先生」って言葉は、確かに「マジックワード」ですね。中身は人によって異なります。自分にとって「いい先生」であっても、他の人はそう思っていないかもしれません。「部活命」で盆と正月しか休まなかった先生を「いい先生」という人もあれば、受験指導の達人を「いい先生」ということもあります。道を踏み外しそうになった時に助けてくれた先生は一生忘れることができない「いい先生」でしょうね。

 「良い(いい)」の基準は人によって違います。極端な言い方をすれば「いい先生」というのは「私」にとって「いい先生」であればいいのです。ですから「私」の数と同じだけ「いい先生」像はあるのです。それを一つにまとめて「いい先生のモデル」を作って、こんな先生になれというのは野暮な話です。#教師のバトンが胡散臭いのはそういう匂いがするからでしょうね。

 

 新学期早々から先生が足らないようです。採用しすぎて持て余している自治体もある一方で、先生がいなくて少人数学級編成ができない学校があるとか。そこで、文科省は全国の不足状況を調査すると言い出しました。調査結果を踏まえて、その先どんな話になるのか気になります。

 

 財務省財政制度等審議会の歳出改革部会(2020年10月26日)の資料にこんなことが書かれています。

 「教員の採用倍率は低下しているが、中途採用(民間企業等勤務経験者)の割合も低調。優れた知識経験等を有する社会人等が教員として活躍するために設けられた『特別免許』の授与件数も少ない」「教員の質の向上に向けて、教育大学や教育学部における免許取得を中心とした現行の教員養成システム(新卒中心)から、様々な経験や学びを持つ民間企業等経験者が子どもの学びに関する専門性(子どもの心身の発達・学習の過程等)を追加的に学べば、教壇に立てる開かれたシステムへと抜本的な転換を図ることを検討すべき」

 

 教育大学や教育学部も舐められたものですね。まさか文科省財務省の軍門に下るとは思いたくありませんが、両者の力関係からするとなるようになるかもしれません。そうしたら、人材派遣会社が「資格不要、試験簡単、誰でもなれます、センセイに♪」なんてキャッチコーをテレビに流すようになるかもしれませんね。冗談ではなく。

 

 悪評高い教員免許更新制度はとっくに形骸化しています。高度な専門性を維持するために知識や技術の更新が必要だという理由で始めたものの、講習に要する時間の割に大した中身がないと不評を買っているようです。文科大臣は教員免許更新制度を見直すと言っていますが、もしかしたら、「先生の品質管理」を今よりもっと厳しくしないと「ヤバくなる」時がくるかもしれません。

 

  件の資料にはこんなことも書かれています。

「教員定数の増は採用倍率の更なる低下を招き、教員の質の低下が懸念される」

 少人数学級を導入すれば教員の数を増やす必要があり、そうなると採用倍率は低くなるので教員の質は低下すると言いたいのでしょう。

 世間にはこんな話もあります。「教員採用試験の競争率が3倍を切ると優秀な教員の割合が一気に低くなり、2倍を切ると教員全体の質に問題が出てくる」そうです。

 

 「悪貨は良貨を駆逐する」時代がきそうです。教育大学や教育学部のセンセイ方、舐められっぱなしでいいのですか。(イデちゃん)