ゆっくり行く者は遠くまで行く
「考える先生」を目指すT君へ
先日はお疲れ様でした。校長先生や副校長先生との初めての出会いはいかがでしたか。校長室での私たちのやりとりをメモをとりながら一生懸命聞いていた君の緊張した表情を思い出しながら、これを書いています。
「朝の一番初めのところから見たいです。何時に来ればいいですか」
「職員の打ち合わせが8時20分から始まり、その後担任は各学級に行って学活を行います」(校長)
「では、それまでに学校に来ればいいですね」
乗り出すように尋ねる君に強いやる気を感じました。
「誰にとって『良い教師』なのか」
いいところに目をつけましたね。教師の仕事は一人ではできません。必ず相手がいます。一番分かり易い相手は生徒ですね。では、生徒にとって「良い教師」とはどんな先生なのでしょうね。時間をかけて考え求め続けて下さい。急ぐことはありません。時間はたっぷりあります。
「これからの1年は自分の課題設定次第なのだと理解し、覚悟を決めました」
課題を設定するために大切なことはあなたの「立ち位置」です。どんな視点から何を見るか、あれこれ試行錯誤してみることです。初めから視点を固定しないで、いろいろな場所から眺めてごらんなさい。生徒の位置から見ると先生はいつも前を向いています。そう、生徒以外の誰かになると見え方が変わりますよ。
ところで、「みる」という行為を表す漢字はどれくらいあるのでしょうね。見る、観る、視る、診る、結構ありますね。それぞれ違う意味を持っています。また、見る位置の高さの違いから「俯瞰」「虫瞰」というのもあります。「みかた」もいろいろありますね。
さあ、どこから、何を、どのようにみましょうか。私も一緒に「みる」事にします。50年も自分の周りにあって見慣れたつもりの風景が違って見えるかも知れません。とっても楽しみです。
ゆっくり歩きましょう。「ゆっくり行く者は遠くまで行く」っていうでしょ。
君の伴走者イデちゃんより