ノートを開いてメモをすると
新学期早々の「質問力を磨く(Class Q)」を見渡していると、感慨深いものがあります。初めて履修する学生と並ぶと、ここで苦労しながら学び続けている学生の成長がはっきりとわかるからです。
違いの一つは、メモを取ることです。
学生には、Class Qではアウトプット重視と伝えています。アウトプットの一つが、メモを取ることです。板書をそのまま写すことは、Class Qで求めているものではありません。目や耳を通してつかんだ情報を、自分の脳を通過させる中で取捨選択し、後で話のポイントがわかるように書く。それがClass Qの求めるアウトプットです。そうしたアウトプットをするために、注意深く聞き、読むというインプットが始まります。
今でこそ人の話にあいづちを打ちながら、メモを取る手を動かしている学生も、かつては受け身の姿勢で聞いているだけでした。「1年生の時と比べると、今は3倍の量のメモを取れるようになった」と入学してからずっとClass Qで学んでいる4年の学生がふりかえっていました。
学生の書く文字も変わってきています。履修し続けている学生のノートでは、薄く小さい字を見かけなくなりました。課題を書く文字も、濃く、大きくなっています。
字を書く行為は、読み手に対する配慮も育てます。「俯瞰する力」ともいえるでしょう。まわしよみ新聞の授業後に書かれたリフレクションシートに表れていました。
「今日は班に分かれてさまざまな新聞を作って発表した。しかし、雑多に配置された新聞を『読みたい』とは思えなかった。買ってもらい、読んでもらうために新聞社がどれほど工夫をしているか、体感できた。『読み手』を意識して文章を書いていこう」
他チームとの比較ではなく、本家の新聞と見比べる。こんな力がついていたとは。自分で文字を書くことが、学生自身を育てていることがよくわかります。
Class Qで学び始めた学生は、学期が終わる頃どんな字を書いているでしょうか。楽しみです。(マツミナ)