idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

上司が間違っているときに

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ナポレオン。毎朝散歩で通りかかるお宅でいただいた。ほんのり甘い(マツミナ)


 イデちゃん、メンターとしてサポートしてくれてありがとうございます。「考える先生」をめざす学生は、笑顔で歩き始めたようですね。

 「生徒の立場では全く気にしないようなことでも、見学者の立場で見るとかなり多くのことに気づき、ひっかかることがあった」――このリフレクションシートの気づきも、ワクワクします。「ひっかかり」をどうするのでしょうか。

 

 先日、企業人と学生が一緒に学ぶ、上智大学の「質問力を磨く(ClassQ)」を開きました。もとは上智大学が昨年度から始めた「プロフェッショナルスタディーズ」で学んでいた企業人です。講座が終わった後も意欲あふれる人たちがいて、毎月1回第3火曜日夜に集まっています。今回は、この春就職した上智の卒業生たちも参加しました。そこでこんなやりとりがありました。

 卒業生の一人が浮かない顔をしていました。聞くと、「上司が明らかに間違っている。でも私は入ったばかりなので…」。そこで、企業人に尋ねました。「上司が間違っているときに、どうしますか」

 「私は言う。はっきりと」と言うのは、社長を補佐する役職の男性でした。この男性にとって「上司」は社長や会長らトップ層しかいません。補佐に選ばれている人であれば、社長たちとも人間関係ができている。むしろ「間違っていると言えるのは、自分だけ」という使命感もあるかもしれません。持って回った言い方ではなく、ずばりと言うそうです。

 中間管理職の男性は違う対応をしているようです。

 「私は言わない。黙っている」

 上司と部下に挟まれている立場では、確かに発言が難しそうです。かえって事態をこじらせるかもしれません。こじらせた経験がそう言わせている可能性もあります。

 代の若手社員は「遠回しに指摘する」と話していました。直截な表現はせず、やんわりと。上司が気を悪くしないように気を使うけれど、でも言う。部下がいない分、ほんの少し気楽かもしれません。

 いずれにせよ、立場によって対応は変わるようです。

 かつての私は、はっきりと言っていました。後先考えず。その結果、かえって苦しい思いを抱え込むことにもなりました。でも、またそういう機会があったら、やはり言うでしょう。ただし、今なら「質問」します。上司の行動や発言の意味や由来を。ひょっとしたら「間違っている」と思っている自分の方が間違っているおそれもありますから。「質問力を磨く」を通して得たたくさんの出会いで、私もちょっとは成長したかもしれません。

 

 「考える先生」をめざす学生は、「ひっかかり」をどう表現して解決の糸口を見つけるでしょうね。(マツミナ)