idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

優先順位

 

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初夏の風。スイレンの向こうでアオサギが瞑想している(マツミナ)


   緊急事態宣言下で、録画配信型授業も併用しています。Zoomでも壁を感じている学生はどう学んだらいいか、困っているようです。

 

 「どうしたら内容の濃いリフレクションシートを書けるか、教えてください。こういう時ですが、私は実際に会って話したいです。マスクを二重、三重にして、その上からフェイスガードをしたらどうでしょうか」。具体的な感染防止策まで書くところに、強い思いを感じます。

 「動画授業を深く理解するにはどうしたらいいですか。見終わった後に達成感が生じているだけに厄介です。改めて、早く対面の授業をしてください」。見終わった後の自分の内面まで分析しているのだから、録画配信型授業も意味がなくはない。でも不満や不安はわかります。

 「動画ではなくて、みんなと一緒に授業に参加したかった。やりとりから学びが始まると何度も聞いていたけれど、本当にそうだと思った」

 「オンデマンド授業でもいつものように真剣に受ける。今日はそういう目標を立てて受けました。でも想像以上にやる気がわくことはありませんでした。Zoomだとミナ先生の無理難題のような時間内に話し合ってまとめあげなければいけないプレッシャーがあるので必死ですが、それがないと気が緩んでしまいます。対面の方が自分の力になるので、強く希望します」

 

 一方で、録画配信型の授業でも、自分の課題をしっかり設定している学生もいます。

 「質問を出す際に、他の人を待たず、自分の質問を並べていくことができる。ただ、一人だけでワークに取り組むと、無駄な時間は節約できるが、視野は狭まる。それぞれに長所短所がある。当たり前だと思っていることを一歩下がってみると、多くの気づきを得ることができる」

 

 録画配信型を使うのは、Zoomに対応できない環境にいる学生に配慮するためだと大学側から聞いています。学生を一人も置いてきぼりにしないという方針です。その一方で、今後の学習に不安を抱く学生が出てくることも予想していました。かといって、感染力の強い変異ウイルスの蔓延が心配されている中で対面に切り替えていいものか。学生だけでなく、社会も納得する授業スタイルというものがあるのかどうか。みんな視聴できる、学習効果を考える、感染防止――少なくとも三つは浮かぶ観点のうちどれを優先するべきか、考えています。

 緊急事態宣言は今月末で終わるのかどうかもわかりません。誰にとっても貴重な時間だけがさらさらと流れていきます。(マツミナ)