idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

企業人とのやりとりが学生を鍛える

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夏は近い(マツミナ)

  高校までの習い性なのか、学生たちは「問いには必ず正解がある」と思い込んでいるようです。しかも、先生に質問すれば、正解を教えてくれると勘違いしているのかもしれません。でも、いずれも錯覚です。

 それを知るきっかけにしてほしくて、「質問力を磨く(Class Q)」では、企業人にも協力を仰いでいます。来る5月28日は春学期中間のミニ発表会です。テーマは「役割と職種」。今回は2つの企業にお願いして、オンラインで会社説明会や職場ツアー、質疑応答の場を設けてもらいました。

 ここでも学生のふだんの姿勢が出ています。「正解は一つ。その正解を引っ張り出せばいい」という姿勢が。でも、趣旨を理解している方々相手に、その手は通じません。その一人、月島食品工業の人事責任者、Sさんとのやりとりの一部を紹介します。

 

学生 これからの企業の将来性とはどういうものになっていくと考えていますか?

Sさん 質問がぼんやりとしてますね。企業の「将来性」とはどのような将来性でしょうか。

 

学生 働かざるを得ない理由ではなく、働く理由は何ですか?

Sさん 人はなぜ働くのか。これは正解のある質問でしょうか。正解があると考えるのであれば、その根拠を示した上で再質問してください。正解がない質問と考えるのであれば、あえて私見を求めている理由を挙げて、再質問してください。

 

学生 仕事のレスポンスが早い人か、御社との総和ができる人のどちらかを採用するならどの人を選びますか? また、その理由を教えてください。

Sさん どちらかしか出来ない人は採用しません。程度は人によって様々ですが、両方必要です。

 

学生 同じような職種の企業とはどのような連携を取り、連携を取ることで互いにどのようなメリット、デメリットがありますか。

Sさん この質問は、ただ「答えを教えてください」という質問に見えます。正解を求めるのは簡単ですが、その答えを聞いているだけでは、知識は増えても学びは広がらないと思いますが、いかがですか?

 

 学生たちはこのやりとりをどう受け止め、次にどう反応してくるのでしょうか。楽しみです。(マツミナ)