できないと諦める前に
「学生は概ね、『できないの分岐点』に立ったとき、自分で工夫して乗り越えようとする学生と、環境や相手を変えようとする学生と2パターンに分けられる」と言うミナさんの指摘ですが、ま、学生にもそれなりの言い分はあるでしょうが、そのうち世間はそんなに甘くないことに気づくでしょう。その時どうするか見ものです。それでも環境や相手を変えようとしますかね。
水曜日の事です。次男の家族と夕食を一緒に食べる約束をしていた私は、ブログに載せるための原稿をPagesにupして家を出ました。ところがミナさんから「ファイルを開けられない」とメールが来ました。実は午前中から通信環境がおかしくて、いつもならすぐ繋がるサイトになかなか繋がらなかったり、Cloudに上げてあるファイルにアクセスできなかったりして嫌な感じがしていたのですが、肝心な時に繋がらなくなってしまったのです。
次男も同様の不具合を感じていたようで、困惑していたのは私だけではなかった事がわかりました。テーブルに夕食が並べられ、みんなで食べ始めたのですが、私は原稿のことが気になって食事どころではありません。
「全くいい迷惑だよ、肝心な時にダウンしやがって」と焦っている私を見て中1の孫が言いました。
「どうしたの、ジジ」
「原稿を送れないんだよ」
「メールは届くの?」
「うん」
「ジジ、いい方法があるよ。メールの本文に原稿を直接貼り付けて送ったらどうかな。やってみようか」
「お、そうだね、やってみて」
私のスマホを彼に渡しました。
「送りたい原稿はこれ? 送り先は?」
などと聞きながら、スマホを操作していましたが、しばらくすると「行ったよ」と言いながらスマホを返してくれました。
しばらくしてミナさんから原稿来ましたと返信がありました。
「ありがと、助かった。よくやり方知ってたね」
「ファイルを送れなくてもメールを送れるのなら、本文にしてしまえばいいかなって思ったんだよ」
「なるほど、そうだよね。気づかなかったな。ありがとう、助かったよ」
知っていることを手がかりに、こうすればうまくいくかもしれないとトライして、まんまと成功させた少年の頭にやわらかさに感心し、思わず「お主、できるな」と唸ったジジでした。
できないと諦める前に「できること」を探す。そして、それを手がかりに問題を解決するための方法を見つけて積み上げていく。「考える」ってそういうことなのですね。改めて納得しました。(イデちゃん)