idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

捨てる勇気

  

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隣家との間に育つ江戸東京野菜早稲田茗荷。今年もたくさん取れますように(イデちゃん)

 「100取材して99捨てる」――余計なものはいらない。剥ぎ取り削ぎ落として真実に迫る。「捨てる勇気」を持たねばならない。これは生き方の美学に通じますね。でも、人間は欲張りだからせっかく集めたものは手放したくないと思うのは人情です。あれもこれもと迷って、結局何が言いたいのかわからなくなってしまうのです。非情になれないのは人間の悲しい性ですかね(なんちゃって)。

 

 「東京2020」の開催が怪しくなってきました。IOCの偉い人たちは「犠牲を払ってでもやる」と力んでいますが、報道によれば多くの国民が延期や中止が望ましいと考えているようです。海外からも開催に強い疑問や懸念を表明する報道が流れてきています。当の日本では、開催都市である東京都も組織委員会も国も「やるために準備している」とは言いますが、何かすっきりしません。無観客にすると言いながら特設会場に架設スタンドを作ったり、密を避けると言いながら巨大なパブリックビューイングの会場を作るために公園の木を伐採したり、やっていることがチグハグです。一体どうなるのでしょうかねえ。心配になります。

 

 「東日本大震災復興のシンボル」だったはずが、いつの間にか「人類がコロナに打ち勝った証」にすり替わってしまったようです。無観客では「おもてなし」のしようもありません。中身のない言葉だけが残された感じです。それでも「やる」と頑張る人たちを支えているのはどんな力なのでしょうか。聞いてみたいです。

 

 25年ほど前です。東京都が深く関係して「世界都市博覧会」という巨大なイベントが計画されました。2000万人の来場者を目標とした万博並みの企画です。ところがバブルが弾けて景気が悪くなり、開催に「?」が灯りました。その時、「世界都市博覧会中止」を公約に掲げて都知事選に勝利したのが「いじわるばあさん」こと青島幸男氏でした。開催準備がかなり進んでいたことから中止をすれば約1000億円の損失が出ると言われていましたが、青島都知事は公約通り開催中止を決定しました。

 

 新型コロナウィルスはどんどん形を変えているようです。「人類がコロナに打ち勝った証」と大見えを切れる時はいつでしょうか。オリンピック・パラリンピックも本当にできるかどうかわかりません。一兆円を超える投資の前に、IOCも東京都も菅総理大臣も「100準備して99捨てる」勇気はお持ち合わせではないようですね。(イデちゃん)