idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

チームビルディング

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議論の後の甘味は格別(マツミナ)

 「質問力を磨く(Class Q)」の学生たちが最も頭を痛めているのは、チームビルディングでしょう。教室内でのチームワークでも、微妙な表情をしている学生が目につくことがあります。先日はリフレクションシートにこんな記述がありました。

 「私は苦手な人と作業をするときに顔に出てしまいます。ミナ先生は嫌いな人と仕事をする必要があると考えていますか」

 この記述を授業で紹介したところ、同様の悩みを持っていることを明かすリフレクションシートが集まりました。

 「私も好き嫌いが激しいから、嫌いな人と仕事をしなくていいのならそうしたい。でもできないと知っている。他人事とは思えないコメントだった」

 

 学生たちも頭ではわかっています。卒業してビジネスの仕事に入ったら、好き嫌いなんてわがままは言えないことぐらい。とはいえ、なかなか好き嫌いの感情を制御できない。困った学生たちは、それぞれ私のもとに相談してきます。

 

 「○○は、自分の仮説をやたら押しつけてきて困ります。いつもこうなんです」。仮説を押し付けてくる学生を、私に何とかしてくれと言いたいようです。

 逆に「押し付けている」と名指しされている学生からは

 「『他に意見はないですか』と言っても、みんな何も言わず、結局私の意見のままでまとまってしまうのです。チームワークができない。どうしたらいいですか」と尋ねてきます。

 どちらかが悪いというより、意見をぶつけ合うことができないのかもしれません。「雰囲気を壊したらどうしよう」「気まずい感じになったら…」。

 Class Qは仲良しクラブではありません。質問力を磨くところです。となれば、チームですべきことは、それぞれが徹底的に調べて根拠を持ち寄り議論をするだけです。押し付けてくる、というのなら、その仮説をみんなで検証すればいい。立証できる根拠があるか、反証できる根拠があるか、みんなで探せばいい。立証も反証もできなければ、その仮説には問題があるから、考え直すだけのことです。一方で、みんながシーンとなることに悩む学生は、沈黙のワケを聞けばいい。ついでに自分の仮説を検証し、立証できなければ考え直すことです。議論を尽くさないことには、チームにはなれません。

 

 新聞記者時代の経験をふりかえると、苦手な人と組み、苦しみながら取材して世に送り出した記事の方が印象に残っています。苦手意識が相手へのなれ合いを排除し、まずは目の前のこの人に、確固たる根拠をもとにした論理を示し、納得してもらなわなくてはいけない。そういう気概があったのかもしれません。

 週末の今日もチームで集まって課題に取り組んでいるようです。さあ、そこでどんな議論ができるでしょうか。来週のClass Qが楽しみです。(マツミナ)