idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

大海を泳ぐワクワクを陸上でどう伝えるか

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白身メレンゲ状に泡立てた卵ご飯。はまっています(マツミナ)


 
昨日の「質問力を磨く(Class Q)」は苦い授業でした。自分の力のなさを改めて思い知らされました。伝えたかったのは、研究し、論文を書く楽しさです。知の大海を、自分の質問力をフルに使って泳ぐワクワク感。でもそれを陸上で伝えきれたか、というと…。丸一日たった今も反省しています。

 

 Class Qは最終論文として「職種の研究」を課しています。学年にかかわらず、学生たちは論文を書いた経験がありません。そこで昨日は研究計画書の書き方を話しました。「情報生産者になる」(上野千鶴子ちくま新書)を参考にしました。

 研究テーマ

 研究内容

 仮説

 研究対象

 研究方法

 先行研究・参考文献

 研究費用 

 研究日程

 本研究の意義

 本研究の限界

 

 授業では、学生がリフレクションシートに書いていたぼやきを題材にして、教材用の研究テーマを作って示しました。書かれていたぼやきは「(挑戦しろというけれど)やってもできない」。そこで研究テーマは「やってもできないを解決する」。さらに「やればできる学習法開発」にしました。仮説は「『新聞と毎日遊ぶ』が学習意欲を喚起する」。

 教材用に作ってみたものの、この仮説は大きな塊なので、検証するためにはスライスしなくてはいけません。「なぜ新聞なのか」「なぜ毎日が大切なのか」「時間帯は固定か」「学習意欲喚起をどう検証するか」…。まだまだスライスしきれていません。教材用として作った自分の研究テーマには、このようにたくさんの問題点があることを、学生たちに示しました。いつもよりもたくさんの質問が出てきました。

 「研究していく上で仮説が間違っていることもあるのか」「そもそものテーマと外れていったらどうするのか」「(元の)大きい仮説はどうやって立てたのか」…。

 仮説が間違っていること自体は珍しくない。その時はまた考え直すだけ。テーマと外れていったら、修正する。でも外れたところで面白いものを見つけたら、別の機会に掘り下げる。新聞記者としての取材でも変わりません。

 「大きい仮説はどうやって立てたか」には困りました。はて。その時、頭に浮かんだのは、海を泳ぐ魚です。口から出る気泡がつながり、大きな気泡につながっていく、そんな光景です。小さな気泡は問いです。問い続けながら泳いでいるうちに、大きな仮説が生まれてくることをどうしたらわかってもらえるか。

 丸一日たった今言えることは、とにかく、知の大海に飛び込め。新聞と本をたくさん読み、大きな仮説と出会えるまで、泳げ。溺れそうになったら、SOSを出せ。私も救命具を積んだボートを漕いで付いていくから、ぐらいかな。(マツミナ)