idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

小学校から始めるブクブク練習

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仕事を辞めて2年目になり、世間と少し距離を置いて来し方をゆっくり振り返る時間が増えました。段ボール箱にしまい込んだあれやこれやを整理していると、以前、学校や地域の方からいただいた資料などが出てきます。読み始めると手が止まって作業が捗りません。どうせ、急ぎの仕事ではありませんから、当時のことなどあれこれ思い出しながら眺めていると、あっという間に時間が経ってしまいます。

 

 先日は小学校の子供たちが描いた「夢水路設計図」という資料を発見しました。杉並区立井荻小学校の児童がまとめた善福寺川河川改修プランです。井荻小学校は学校の敷地内を一級河川が流れている全国でも珍しい学校です。その特色を生かし、善福寺川に住む生き物を調べたり、川沿いの清掃活動をしたりするなど、善福寺川を教材とした総合的な学習に取り組んでいました。

 

 善福寺川は1級河川ですが、水源である善福寺池に繋がる最上流部の水路は杉並区の管理下にあります。区はこの部分を改修するにあたり、区民からの提案を募りました。その時、井荻小児童が、ここを「夢水路」として親水施設化する計画を提案した時の図面が出てきたのです。子供たちの提案は区に採用され「遅野井川親水施設」として実現されました。区長に図面を示して一生懸命説明する子供達の姿を昨日のことのように思い出しました。

 

 「ところが実に偶然というのは恐ろしいもので」(さだまさし「雨宿り」)、昨日(6月21日)、ある会議の席で井荻小学校の前任校長からいただいた包みの中身を見て飛び上がりました。「善福寺川ノート」と題する井荻小独自作成の環境学習教材だったのです。もちろん「夢水路」のことも書かれています。最初のページには「私たちが区長さんに手紙を持って行った時はまだ12歳でした。しかし、自分の言動の持つ力を過小評価せず、何かを変えることができるという確信をもっていきました」という当時の6年生の言葉が載せられていました。

 

 添えられた手紙には「学校で学んだことが、明日、そして将来につながるように、子供たちの学びを進化させたい。そんな願いが込められた副教材です。(略)3年生から6年生までの4年間、継続して使います。その時その時に学習した記録を記したり、自分が興味を持ったことを深めたりするための余白を豊富に取ってあります。(略)共同的な学びと探究を図る教材として考えています。また、巻末には4年間の学習のまとめを書き込み、井荻小学校の卒業論文が仕上がることをねらっています」とありました。

 

 「洗面器に水を汲んで顔をつけ、そのままブクブクと息を吐くといった練習」をいつから始めるか悩むところですが、小学校の頃からこうした学習を積み上げて行けば、結構まとまった論文が書けるようになるかもしれませんね。期待しましょう。(イデちゃん)