idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

なぜ学校の裁量に委ねるのか

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なぜか鳥がつつきに来ない。美味しくないのかな(マツミナ)

 文部科学省は「授業時数特例校」制度を導入する方針のようです。文科省中央教育審議会に示した資料によると、特例校に認定された小中学校は、各教科の最低基準「標準授業時数」を最大1割まで減らし、別の教科に上乗せできるそうです。8月から特例校を募集し、来年4月から始める予定です。

 文科省はこれまで授業時数に目を光らせていた「はず」です。道徳についても、授業時数が守られていないことも教科化の背景にありました。それをなぜ緩和するのか。それも学校の裁量に委ねて。文科省の資料は「特例校制度の創設」の趣旨をこう示していました。

 

 「文部科学大臣が、学校教育法施行規則第55条の2等に基づき指定する学校において、学校や地域の実態に照らし、より効果的な教育を実施するため、総枠としての授業時数(各学年の年間の標準授業時数の総授業時数)は引き続き確保した上で、教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成や探究的な学習活動の充実に資するよう、カリキュラムマネジメントに係る学校裁量の幅の拡大の一環として、教科等の特質を踏まえつつ、教科等ごとの授業時数の配分について一定の弾力化による特別の教育課程の編成を認める制度」

 

 相変わらず一文が長いです。227字。学生が書いてきたら、4分割するように伝えます。つまり、教科横断で探究的な学習の充実を狙ってのことなのでしょうか。

 

 今年1月、中教審は「令和の日本型学校教育の構築を目指して」と題した答申をまとめました。そこには「多様な人材の確保や教員の資質能力の向上により、質の高い教職員集団を実現」が理想として掲げられていました。それを受けて、萩生田文部科学大臣は3月、「令和の日本型学校教育を担う教師の養成・採用・研修等の在り方」を諮問しました。素直に読めば、文科省は「質の高い教職員集団」になっていないことを認めたテイルということです。だからこそ養成や採用のあり方を考えてよと、中教審にボールを投げた。つまり「質の高い教職員集団」ではない学校に大事な授業時数に関する裁量を委ねようというわけです。矛盾しているような気がします。

 

 教員という職業の魅力を伝えたいと文科省ツイッターで始めた♯教師のバトン は大炎上したようです。一体、文科省は学校をどうしたいのでしょうか。(マツミナ)