idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

書くトレーニング

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大きくなるのを、毎日楽しみに待っています(マツミナ)

 今日から7月。もう1年の折り返し地点です。「質問力を磨く(Class Q)」も最終コーナーを回りました。最終課題も当然「書く」を重視しています。学生に課しているポスター制作、論文とも、テーマは「職種の研究」です。

 そのために、まずは企画書を「書く」。15の学生チームが企画書を作り、企業に職種についての取材協力をお願いします。趣旨や三つの質問のほか、日程、取材方法などの必要事項を書くよう事前に伝えましたが、さて。

 先日も協力企業の経営陣から「こんな企画書が来ています」と企画書が転送されてきました。「これがコンペならば、落とすレベル」とまで付記されています。もちろん「どうぞ落としてください」とお答えします。愛ある企業人のこと、ダメな理由もきちんと説明してくれます。学生諸君よ、今のうちに失敗していらっしゃい。

 

 最終論文は、手書きです。手書きにこだわるのは、まず剽窃対策です。パソコンであればコピー&ペーストで簡単にできる剽窃も、手書きだと手間がかかります。丸ごと書き写す。要約して短い文にまとめる。いずれにしても頭を使わざるを得ません。ここが狙い目です。

 パソコンの予測変換という機能も、困ったものです。自分の考えを表現するのにふさわしい言葉は、自分の頭で探し出してほしいのです。

 卒業して働き始めても、企画書、報告書、議事録、顛末書など書く機会がたくさんあります。その時に突然「書く力」がつくわけがないことは、Class Qに集まる企業人たちが話してくれます。「書くのが苦手で、そういう場面になるたびに困っているんですよ」。学生も企業人も「書く」に困っています。

 

 文科省は、大学入学共通テストへの記述式導入を断念したようです。共通テストに入れるのは断念しても、「書く」に力を入れた教育は本気で展開してもらいたいものです。それも小学校から。「思います」「感じています」などの感情だけでつづれる作文も結構ですが、論文、企画書、報告書などにつながる「論理的な文章」を書かせていただきたいと願っています。(マツミナ)