idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

授業時数に合わせて教員配置の弾力化を

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荒家にカンゾウが咲く(イデちゃん)


線状降水帯が発生して各地で大雨が降りました。TVでは知り合いが住んでいる南伊豆町や三宅島などの様子が報じられ、「観測史上最大」とか「土砂災害の恐れ」とか聞く度に案じていましたが、大雨もどうやら収まったようで安心しました。

今週、私は所用で長野に来ています。昨日も今日も晴れ間の多い日でしたが、蒸し暑さと網戸の隙間から入ってくる蚊に閉口しました。でも「大雨であばら家が雨漏り」なんてことにならなくてよかったのですが。

 

先日、「授業時数特例校制度」の導入を「胡散臭い」と書いたら、例の知人から「へそまがりジイさんはこの制度に反対なの?」と突っ込まれました。私はまるっきり反対というわけではありません。運用次第では学校教育の可能性を大幅に広げることができると考えるからです。でも、そのためには解決すべきいくつかの問題があるのですが、それが結構厄介なことなのです。

 

「特例校制度」を使って、各学校が自校の実情に合わせて学年・教科の授業時数を弾力的に運用することができれば、多様な教育課程を編成することが可能になるでしょう。仮に、上限1割の増減を小学校で6年間、中学校では3年間の総授業時数の中で運用するとします。そうすれば、学年を超えて入門期の国語を手厚くして言語指導を徹底したり、理解の差が広がり始める小学校3・4年生の算数の授業時数をこの学年に集中させたりとか、より児童・生徒の実態に応じた独自の教育課程を編成することができるでしょう。もっとも、そんなことをしたら「同年齢・同学年制」を崩して、「飛び級や」「原級留置」の便法に使う恐れがあるから、だめって言われるだろうけれど。

 

 授業時数を弾力的に編成するためには、今より教員の数を増やす必要があります。中学校は教科担任制ですから1割授業時数を増やした教科の担任はその分だけ「持ち時数」(授業時数)が増えることになりなす。小学校は全科担任制ですから学級担任の総授業時数の増減はありませんが、今後、教科担任制が進むとすれば中学校と同じことが想定され、負担増になります。持ち時数が増えても教員の標準定数を増やすことは簡単ではありませんが、「講師時数」(非常勤講師の授業時数)を増やすことができれば、負担増を回避してより柔軟な「時間割」を組むことができるはずです(これこそ「取らぬ狸の皮算用」って言われるかな)。

 

 授業時数の弾力化と合わせて「教員構成の弾力化」を進めないことには「授業時数特例校制度」が「絵に描いた餅」になりかねません。「つまみ食い」では多寡が知れています。文科省はこの際、教員の数をもっと増やして、「1割」と言わず、もっと大胆な弾力化ができるようにしたらいかがですか。(イデちゃん)