idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

決めないツケ

f:id:Question-lab:20210709214238j:plain

なぜか鳥につつかれない木苺。美味しくないのかな(マツミナ)

 昨夜、4度目の緊急事態宣言に際しての総理会見をテレビで見ました。総理は、記者たちの質問に答えるつもりがあったのでしょうか。歯切れが悪すぎて、聞き取れないことが何度もありました。発音の問題ではなく、言うべき言葉を持っていないのかもしれません。いずれにせよ、学生の発表だったらやり直しを指示します。

 一夜明けて、朝刊には「5者会談 五輪1都3県無観客」(7月9日付読売新聞、東京14版)。オリンピック・パラリンピックについて問われ、総理は言っていました。この後の5者会談で決まる。決めるのはオレじゃない、と。虚ろな表情で。

 

 「質問力を磨く(ClassQ)」にも、「決めるのが難しい」と言う学生が少なくありません。たとえば、チームワークでメンバーの意見が合わなかった時に、何を基準にどう決めたらいいのかわからないと訴えるのです。判断材料を持ち寄って、何が最も大事なのか、徹底的に話し合えばいいのです。そうした手間を惜しんで、中にはジャンケンで発表内容やタイトルを決めるチームすら出てきます。その程度の発表ですから、当然、出来は無惨。他チームと並ぶと、一目瞭然です。

 周囲の発表を見て、自分たちのみっともなさに気づけばいいけれど、そううまくはいきません。いったん手抜きを覚えた学生は、メンバーを入れ替えた新しいチームでも同じように手抜きをしてしまう傾向があります。手抜きで乗り切れた、と思い込んでしまうのでしょうか。注意しても、なかなか理解ができないようです。そういう学生の最終論文は、見るべき点の乏しい内容になってしまいます。決められなかったつけは自分に回ってくるのです。

 

 コロナの感染拡大を止めたくて緊急事態宣言を出す。無観客にはしたけれど、オリンピックは開会する。何が大事なのかを決められず、とりあえず矛盾する二つの内容を打ち出した総理のつけは、どこに回されるのでしょうか。(マツミナ)