idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

コウシン講習

f:id:Question-lab:20210711101256j:plain

ただいまコウシン中!(マツミナ)

 今朝、善福寺川沿いをカルガモの一団が行進していました。よちよち歩きのヒナの時から見ていた母子10羽です。元気よく闊歩するその姿に、朝から胸が熱くなりました。カラスや猫、蛇などと戦う武器もないお母さんが、よくぞここまで。好き勝手に動き回るヒナたちを見守る姿が印象的だったからこそ、見事な行進に拍手です。

 

 今日は「コウシン」に縁があるようで、帰宅して広げた読売新聞は、教員免許コウシン制度の廃止を政府が固めたことを報じていました。政府は、教員にとって手間がかかる割に、「資質向上の効果が低い」と判断しました(7月11日付読売新聞朝刊、14版)。

 

 確かに手間のかかる制度です。10年ごとに教員免許を持っている人は、大学などで開かれる更新講座に申し込みます。費用は教員の自己負担。そこで30時間以上の講習を修了し、その後に教育委員会に申請してやっと更新完了です。昨年3月末が免許期限の教員のうち99.43%が講習をうけていたようです。

 

 もともとは問題教員の排除に端を発していました。だからこそ政府としては「目的は、不適格教員の排除ではない」と躍起になって喧伝していたのかもしれません。問題を見つけた、とりあえず何かしなくちゃ、という場当たり的な政策の匂いがします。教員の何が課題で、それは何に起因していて、その結果、子どもの学びがどうなっているか…という実態調査に基づいた制度設計ではないと見ています。

 その結果の廃止にしても同じです。「手間をかけても、ダメな先生はやっぱりダメだった」というのなら、更新講習では、誰が何をどう教えていたのか、講習自体に問題がないことを明らかにしないと、廃止の理由にはなりません。

 

 そして、この先についても同じことが言えます。

 「文科省は、頻繁に実施できる各教委の研修を充実させ、教員の質向上を図る方針だ。情報通信技術を活用して教員の研修履歴を記録・管理し、個人の特性に応じた内容とすることを検討している」(7月11日付読売新聞朝刊、14版)。

 各教委の研修の実態を調査したのでしょうか。それをどう「充実」させたら、「教員の質向上」につながると見たのでしょうか。場当たり的な対応ではないという説明を求めたいです。この続きはきっとイデちゃんが書いてくれるでしょう。

 

 そう考えていくと、気になるのは冒頭のカルガモのお母さん。一体どうやってこれだけたくさんのヒナを“一人前“にしたのでしょうか。可能であれば、お母さんに「コウシン」講習の講師をお願いしたいです。(マツミナ)