論文検証インターンシップ
帝京・上智大学で開講している「質問力を磨く(Class Q)」で、初めての試みをします。「論文検証インターンシップ」。単なるインターンシップではなく、自分の書いた最終課題の論文を検証しにいくのです。
学期末、学生は二つの最終課題を抱えました。一つはチームでのポスター制作、もう一つは個人での1200字の論文です。テーマは「職種の研究」、今回は営業職限定です。授業に協力してくださるITや食品製造、建築、電気などの8社を取材し、営業とは何かを考えました。どんな人がどのように働いているか、営業職はどのような課題に直面し、どう解決しているのか、営業の魅力とは何か……など多様な観点で問いを立て、取材した内容を踏まえて論じていきます。
これまでの論文は、書いて提出し、フィードバックを受け、書き直しを指示されることもありますが、そこまでです。学生たちが企業の現実と課題をきちんととらえていたのかどうか、学生はもちろん、私もわかりません。
でも、それではもったいない。思い込みで書いている部分があるかもしれないし、企業自身も気づかない鋭い観察や分析があるかもしれない。いずれにせよ、自分の知的生産物をしっかり味わってほしいのです。取材に応じてくれた企業と共有したら、企業のお役に立てるかもしれません。そんなドリーミーなことを願っての企画でした。
企業の方は快諾してくださいました。とはいえ、果たして学生が手を挙げるか? 成績にもかかわらないことに、夏休みを費やすか?
杞憂でした。
ポスターセッションが終わった日のうちに、自分の論文を添えてインターンシップを申し込む学生が出てきました。中には、他チームの学生の発表を聞いて興味を持ち、インターンシップに行くために論文を書こうとしている学生もいます。
インターンシップのスケジュールや内容などについては、学生と企業で相談しながら決めていきます。学生が自分の知りたいことに合わせて設計をしたら、どんなインターンシップになるのでしょうか。こちらもワクワクしてきました。(マツミナ)