idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

考える先生になるための手がかり

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みーつけた。残しとこ。草取りのご褒美(イデちゃん)

 「考える先生への道」(7月30日)で「外見上の変化や測定して比較できる変化と違って、内面の変化はなかなか外からは見えにくい」と書いたところ、批判的読者を自認する友人から指摘がありました。

 ウィリアム・ジェームズ(William James)は「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる」と言っていると。つまり、変化は行動に現れるのだから「行動の変容から内面の変化を検証」することは可能だと指摘したわけです。「逆も真なり」ということでしょうか。

 

 私は彼にこう返しました。「とりあえず今は『心が変われば行動が変わる』という辺りまでにしておきます。そこから先はまだ議論や検証の対象にしていないからね」。なぜなら、たかが十数回の学校参観で行動に顕著な変化が見られ、習慣や人格まで変わるとは考えられないからです。行動の変化だって「見よう見まね」かもしれません。そんなに簡単に変わるようでは、何かあればまた簡単に変わってしまうかも知れません。私たちはその程度の変化・成長を期待しているわけではありません。

 

 確かにT君は以前とは少し違ってきました。話をしているときの表情にも変化が見られます。使う言葉の幅も広がったように思います。T君の内側で何かが少しずつ変わってきてはいるようです。でも、外から見える変化はその程度で「行動変容」と言える程のものではありません。ですから、「不確か」ではあるけれど「何かが変わってきたかも知れない」という部分をT君自身に確かめてもらうために、三つの宿題を出しました。

 見る対象を広げることによって、今まで見てきたものとは違うものが見えるようになったか、見え方が変わったか、見えたものをどう解釈し、何を考えたのか知りたいからです。私に「使う言葉の幅が広がった」ように思わせた「変化の中身」がその中に含まれているような気がするからです。視野が広がった、見方が深まった程度の変化ではなく、それによって理解の仕方や考え方がどう変わったか知りたいのです。「考える先生」になるための手がかりが見つかるかも知れません。

 

 さて、「考える先生」を育てるプロジェクトに新しい仲間が加わることになりました。小学校の教員を目指す大学1年生のMさんです。なぜ、小学校の先生になりたいのか尋ねると彼女は「小学校の時の担任の先生は勉強することが楽しくなるように教えてくれた。私も子供たちに勉強の楽しさを教えたい」と話してくれました。

 2学期から学校参観を始めます。これまで経験したことのない立場や視点から見る学校はどのように見えるでしょうか。楽しみです。(イデちゃん)