学生たちの顔
コロナウイルスの感染者数がとうとう累計100万人を突破したそうです。感染が広がり始めて1年3か月後の4月9日に50万人を突破。4か月弱で倍の100万人を突破したことになります。
コロナ禍で職を失った人々の報道を目にするたびに、思い出す顔があります。「質問力を磨く(ClassQ)」を通り過ぎて行った学生たちの顔です。
ある学生は「将来、芸能人になりたい」と夢を描き、東京に出てきて進学しました。授業が終わると、専門のスクールに通い、工事現場でのアルバイトへ。帰宅は午前2時過ぎ。それでも必死に課題に取り組んでいました。「芸能人は馬鹿じゃできないから」と笑顔で話していました。いつの間にか授業に出てこなくなりました。
マレーシアからの留学生も、毎日アルバイトをしていました。「僕のうちは金持ちではないですから、働かなくてはいけないのです」。卒業後は日本で働きたいと話していました。そのためには、日本語のレベルを上げなくてはいけません。だから社説を書き写す課題にも真剣に取り組んでいました。とはいえ、時間も体力も有限。いつの間にか、この学生も姿を見なくなりました。
あの学生たちは、今、どうしているのでしょうか。大学に来ているのでしょうか。元気でいてくれるといいのですが。
先日、ClassQを履修したいと言ってきたある1年生も毎日、コンビニエンスストアで5時間働いています。日本学生支援機構(JASSO)から借りている有利子の奨学金の返済に充てているのだそうです。ひと頃よりも利息は低くなっているとはいえ、借金は借金。1日も早く返したいという気持ちなのでしょう。入学金や教科書代などは親御さんに貸してもらった、悪いことをしてしまった、と話していました。
秋学期が始まった時、Class Qの教室で笑顔の学生と会えますように。(マツミナ)