idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

馬脚を現す

f:id:Question-lab:20210819202322j:plain

秋到来(イデちゃん)

 メンタリストと称して、人の心を読み取ることをウリにしていたユーチューバーのDさんが「カミングアウト」してしまいました。本人のユーチューブで「生活保護の人たちに食わせる金があるんだったら、猫を救ってほしいと僕は思う」とか「自分にとって必要もない命は軽い。だからホームレスの命はどうでもいい。正直、邪魔だし、プラスにならない」などと発言し、各方面から批判が殺到していました。

 心理学もどきの知識とマジックのテクニックを駆使した巧みなパフォーマンスは見る人を驚かせ、彼のユーチューブのフォロアーは200万人を超えるそうです。もっとも、心理学の専門家に言わせれば、彼は心理学者と言えるような代物ではないようですが。そんなDさんが「無知が招いた失態」と自分の「無知さ加減」を白状したのです。

 

 こういうのは「カミングアウト」というより「馬脚を現す」と言った方がふさわしいかもしれません。それはともかく、メンタリストのユーチューバーは「薄っぺらな物知り」に過ぎなかったということがバレました。寄せ集めの知識や情報をつぎはぎし、心理学用語を操ってもっともらしく解説していましたが、「人間の尊厳」とか「生きることの意味」「学ぶ目的」とか「科学の役割」など、学問をする上で一番大切な部分を理解していなかったようです。

 案の定、謝罪と称した続編では「差別的であるし、これは反省だなということで謝罪させていただきます。大変申し訳ございませんでした」などと、他人事のような反省ぶりで、知性も品性もない姿を晒しています。まさに「無知が招いた失態」です。

 

 子供の頃、バカな真似や思慮の浅いことをすると、「それくらいのこと、考えればすぐわかることでしょ」と母に叱られたものです。大人になってからも「まったく、いい歳をして、何を考えているのか」とたしなめられたがありました。

 そうなのです。言われなくても「それくらいのこと」は誰だってわかっているはずなのです。それでも人間は愚かな生き物ですから「考えなし」(母がよく使っていた言葉で、物事の意味や意義をよく考えないこと)で軽薄な行動をすることがあるのです。

 残念ながらDさんは「それくらいのこと」すら、わかっていなかったようです。

 

 そろそろ夏休みが終わり、「考える先生」を育てるプロジェクトも2学期が始まります。9月の初めには中学校を参観しているT君の中間報告会があります。T君の考える「考える先生」像が見えてくるでしょうか。楽しみです。(イデちゃん)