idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

沈黙の春

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夏の終わり、ゲレンデは牛たちに占領され(イデちゃん)

  夏休みが終わりに近づくとよく見られる光景。

「工作に、読書感想文に、自由研究に…。まだ終わってない」

「だいたいねえ、あなたが計画通りちゃんとやらないからいけないのよ」

「ああ、どうしよう」

「遊んでばかりいるからよ。頑張らないと終わらないよ」

「夏休みがあと一週間残っていればなあ」

「馬鹿なこと言ってないで、早くやりなさい」

 まだ終わってない課題を前にして、今までサボっていたことを棚に上げて「あーあ、夏休みがあと1週間残っていればなあ」とぼやいても後の祭りです。

 

  学校から「夏休みを延期します」って通知が来ました。なんと2週間も延期してくれるっていうのです。宿題が終わっていなくて青息吐息だった怠け者の願いが天に通じたのでしょうか。もちろん冗談です。そんなはずはありません。

 新型コロナウィルスはどんどん変異して、これまで比較的感染し難いと言われていた若年層にも感染し、重篤な症状も出るようになりました。そのために二学期の始まりを遅らせることになったのです。宿題をサボった君を救済するためではありません。事態はもっと深刻です。

 

 長い夏休みの間にコロナが収まり、安心して学校に行くことができるようになることを願っていました。宿題に追われ、お母さんに小言を言われても、学校が始まりクラスの友達や先生と会える楽しさを思えば、一時の我慢です。やっぱり学校はいいところですから。

ところが、テレビの画面に「夏休み中、子供たちがどんな生活をしてきたかわからない。学校で感染し、家庭に持ち帰って家族が感染することになったら大変だから、うちの子を登校させたくない」と語る母親が映ってるではありませんか。「学校にやるのが心配だから、行かせたくない」というのですから事態は重大です。パラリンピックを見に行くとか行かないとか言ってる場合ではありません。

 

 春になっても鳥たちが鳴かなくなったこと通して、大量に使われる農薬や工場から排出される化学物質の影響を告発した「沈黙の春」(レイチェル・カーソン)を思い出しました。 子供の声が聞こえない学校なんて御免です。(イデちゃん)