idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

出席停止の日数を合格判定の資料にするな

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秋の空 鱗煌めく鰯雲 なんてのはどう? 駄作かな。いや季重なりだわ。(イデちゃん)


 
「新型コロナウィルスの感染拡大に伴い公立小中学校で導入が進むオンライン授業で、文部科学省が参加した児童生徒を原則として『出席』と認めないことに対し、保護者から『受験時の内申書に悪影響が出そう』と不安の声も上がる」(9月7日付東京新聞)という記事を読みました。

   多くの自治体が今年の2月の文科省通知に従い、オンライン授業を受けても「出席停止・忌引き等」として整理しているものの、中には出席扱いにしているところもあるようです。隣同士の自治体で扱いに違いがあるために「出席日数が内申点や成績にどう影響するか不安。特に受験生は気掛かりだ」(同紙)と保護者の不安を報じていました。

 コロナ禍での学習の遅れや理解の不十分さを心配し、受験生が公平に競争できるようにしてほしいと要望しているのかと思いきや、心配の中身は勉強の遅れではなく、出席停止の日数のようです。受験生を持つ親の気持ちがわからないではありませんが、なんとも悲しい話ではありませんか。

 「オンラインでも学習成果を確認できれば『出席として認めることも可能』と各校に通知し」「児童生徒の不利益にならにように配慮した」(同紙)教育委員会もあるようですが、その程度のことで当事者の不安が解消するとは思えません。この際、全ての教育委員会や独自の判定基準を設けている学校は「出席停止の日数は合否判定の資料にしない」と対外的に表明することを望みます。それが受験生や保護者を安心させる一番いい方法です。「出席停止の日数など気にしないで、オンラインだろうがオフラインだろうが、しっかり勉強してください」というメッセージを送ることです。

 

 文科省は出席扱いとしない理由として「児童生徒の発達段階を考えると、対面授業が望ましい」(同省担当者)と説明しています。今頃何を言っているのですか。オンライン授業はコロナで対面授業ができないから始めたわけではありません。GIGAスクール構想とやらで学校にどんどんタブレット等を配給し、文科省が主導して進めてきたことでしょう。それを今さら「発達段階を考えると対面授業が望ましい」とか屁理屈つけて「出席」とは認めない、つまり「授業を受けたことにしません」とはどういうことですか。

 

 コロナ後の教育のあり方について議論が進められています。やることなすことトンチンカンな文科省はどう考えているのでしょうか。そもそも考えているのでしょうか。

 いつでも、どこでも、誰でも学ぶことができる「屋根のない学校」には「出席停止」なんてありませんから。(イデちゃん)