idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

劣化社会

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すまし顔の翡翠(マツミナ)


 2回目のワクチン接種を受けたら40度の熱が出て、2日間寝込みました。布団の中でうつらうつらと、コロナで自宅療養している人々のことを思い浮かべていました。熱が出るだけでもこんなに苦しいのに、ましてや誰も助けに来てもらえないなんて。どれほど不安だろうか、怖いだろうか。税金やら社会保険料やらを取られてそんな仕打ちを受けたら、私なら怒り狂います。ひどすぎます。

 確か総裁選で、コロナ患者を自宅療養させている状態を非難している候補者がいたけれど、そもそも自民党内で本当に反対してくれたのでしょうか。

 そういえば、引退する衆議院議員塩崎恭久氏がこんなことを書いていました。〈政府が打ち出した『原則自宅療養』という方針に対して党内で『撤回しろ』と言ったのは私だけだった。政治の劣化が極まっている〉(『選択』2021年9月号、「政治家の無能が招いた『コロナ国難』より)

 布団の中で散々に毒づいているうちに、熱も引きました。

 

 イデちゃん、連続投球してくれてありがとうございました。昇進試験のために勉強していた父親の姿に「サラーマンでも社会について興味を持たなければならないと感じた。(略)私はもっと社会を知る必要があると考えた」という学生のコメント(924日「親父の背中」)に引っかかってくれて嬉しいです。私もひっかかっていました。でも「またか」という程度のひっかかり方です。社会が「学び」に大きな価値を認めていないことを、学生は感じ取っているからです。企業人、それもトップ層が「学生時代は大いに遊んだものだ」と公言しています。そういう人がトップだから、就活でも「SPI」の点数は見ても、大学での成績評価なんてどうでもいいのかもしれません。働きながら大学院などに通って学ぶ人をきちんと処遇する企業が少ないことも、どこかで聞いているかもしれません。

 

 実は、この学生と父とのやりとりは、授業で披露してもらいました。授業が始まる前にこの話を学生から聞き、すぐに他の学生に共有してもらおうと考えたのです。「サラリーマンは気楽な稼業」ではないことに気づいてもらうために。

 学びを軽視する企業、そしてそれを許す社会全体はどうなっていくのでしょうか。「劣化が極まっている」のは、政治の問題だけではないと懸念しています。(マツミナ)