idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

貧すれば鈍する

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ひまわりも 頭を垂れる 彼岸過ぎ(イデちゃん)

 

 お粗末なコロナ対応や「モリ・カケ・サクラ」の田舎芝居を見せられて「政治の劣化極まれり」と思った人も多いのでは。そういえば政治の劣化をもたらした要因は「国会議員の世襲化」と「小選挙区制」にあるという指摘をどこかで読んだ記憶があります。親の選挙地盤を引き継ぐことによって安定した支持を得られることや小選挙区制によって現職の公認が優先されることなどから、地盤や看板を持たない新人が国会議員になることが難しくなり、有為な人材を得られなくなっているというのです。世襲が繰り返されることによって「政治家の劣化」がもたらされ、とどのつまりは「政治の劣化」につながっているということでしょうか。

 加えて、対抗勢力としての力を持たない野党や「忖度」に明け暮れる高級官僚たちも政治の劣化に大いに貢献していると言えるでしょう。そういう状況に「ノー」と言わない私たち有権者だって責任がないわけではありません。一億総劣化社会です。

 おっと、調子に乗ってこれ以上しゃべると「評論家面して何を言っているのか」と叱られそうですから「見て来たような政治講釈」はこれで止めにします。

 

 それより、もっと気になるのは「先生の劣化」です。

 2021年度から25年度までに順次進められる小学校の35人学級導入により、今後5年間で約13,500人の教職員定数増が必要と試算されています。また、22年度から教科担任制の本格導入も加わることで、必要な教員数はさらに膨らむことが予想されます。

 一方で、教員志望者の減少に歯止めが掛からず、一部の自治体では年度当初に必要な教員数を確保することができないために学級編成に支障が出るなど、教員不足の問題は深刻化しています。必要数が増えることがわかっていながら、志望者数が減少するという二重の足枷をはめられ、お先真っ暗な状態です。

 

 各自治体の教育委員会では受験者を増やすために、受験年齢制限の緩和や特別免許状の活用等、様々な方法を考えて来ましたが、増加に繋がるほどの効果はないようです。この切羽詰まった事態を前に、ある自治体では来年度からの採用選考に筆記試験と面接を課さず、教育実習の評価と大学の推薦だけで採否を決める特別選考の導入を決めたそうです。

 

 これは結構恐ろしい話です。筆記試験も面接もせず、教育実習の評価と大学の推薦で判断するということは、合否の判断を採用する側の評価ではなく、送り手(大学)の評価に委ねるこということです。

 いくら教員採用が売り手市場とはいえ、採用する側が責任を持って選ばないようなことになったら、先生の劣化がますます進むばかりです。「貧すれば鈍する」と言いますが「つけ」を子供たちに回すようなことをしてはいけません。(イデちゃん)