idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

仲間と課題に取り組む学生たち

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りんごの季節です(マツミナ)

 

 帝京大学の授業「質問力を磨く(Class Q)」で、秋学期から3人の学生に90分のうちの10分間を任せることにしました。3人は「課題チーム」と名乗っています。履修者がそれぞれ自宅で取り組んできた課題をお互いに見せ合う披露する時間を担当するチームで、本日はその2回目でした。

 課題は、社説を書き写す「社説の視写」、今学期から始めた「脳トレシート」の2種類。いくつかの班に分かれて、お互いに発表し、コメントをし合います。チームのメンバーはスライドを使いながら、この時間で何をしなければいけないのか、お互い披露することにどんな意味があるのかを懸命に説明していました。

 

 「わからないから投げ出すのではなく、わからないから取り組むんだよ」

 「わからないなりに、何が学べたか、言語化しよう」

 「仲間の取り組み方に、学び方のヒントがあるよ」

 「まずは自分の状況を見てもらおうよ。そこからだから」

 

 単なるおしゃべりの時間にしないために、短い時間をさらに細かく分けたり、初めて履修する学生と前からいる学生をバランスよく分けたりと、課題を続けようと思わせるための工夫を随所に盛り込んでいました。この10分間のために、どれほどの時間を費やしてきたことでしょうか。

 Class Qの課題は決して軽くありません。司会をしている学生たちも全員、課題には苦労してきました。手は疲れるし、時間はかかるし。バイトの休憩時間も使って取り組んだという話も聞いています。それでもやめることなく続いたのは、自分の現状への問題意識です。

 書いてきていない、読んできていないという状態のまま社会に出ていくわけにはいかないんだよ、自分たちは。ここで力をつけて行こうよ——

 学生たちは授業後に教室も取って、一緒に課題に取り組む時間も設けました。ひとりで課題に取り組めない学生も、仲間と一緒なら取り組めるようです。今日も10人以上の学生が、課題の用紙を持って、授業後も黙々と取り組んでいました。

 

 昨日、イデちゃんが書いていた「学校雇用シェアリンク」はどんなものになるのか、まだ見えません。企業に所属しながら教育現場に貢献できるという制度そのものの是非よりも、どんな人が担うのかによるだろうと考えています。目の前の子どもたちの課題を、一緒に考えてくれるでしょうか。解決するために力を注いでくれるでしょうか。それは今の免許制度の根幹にかかわるかもしれません。(マツミナ)