idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

人生を案内するのは難しい

 

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シルエットロマン(イデちゃん)

 

 「彼がいることを隠して結婚生活を続けるゲイ(男性同性愛者)の夫」からの相談ですか(2021年10月12日付読売新聞「人生案内」)。

 「彼といる時だけが私らしくいられる時間。彼と別れるのは家庭を捨てるのと同じくらい、私にとってつらいこと」だけど、「さすがにこのままではいけない、どうしたらいいのか方向性を示してほしい」と相談されても困っちゃいますね。道徳や正義の物差しで測れば到底容認できる話ではないでしょうし、さりとて「ゲイであることを隠さずに暮らせる社会」にすべきだと力んでみても、問題がすぐに解決するわけでもないし。

 

「ウソつき、私をずっとだましていたんです、ゲイであることは関係ない」。全く同感です。隠さざるを得ない社会だからゲイであること黙っていたというのは夫の身勝手です。

「お互い苦しむ関係を増やさないようにする社会体制」であってほしいとは思っても「夫とは離婚する」。そりゃそうでしょう。夫に自分以外に愛する人がいて別れられないなら、自分が夫と別れる他ないでしょう。

「結婚生活を維持しながら、彼とも関係を続けられる」ようにしたいなどと考えるのは虫が良すぎます。

「そもそも妻に隠し事をしているのは不誠実だ。妻に打ち明けよう」というのも夫の身勝手です。妻だってそんな告白を聞かされたら困惑するでしょう。「そうですか、あなたも辛かったのね」なんて言えるわけがありません。正直と誠実は同じではありません。では、どうすればいいのでしょう。

 昭和40年頃、バーブ佐竹という歌手が歌って大ヒットした曲「女心の唄」という歌謡曲(死語かな)があります。その歌詞の一節に「どうせ私をだますなら だまし続けてほしかった」(作詞北山由希夫)というくだりがあったのを思い出しました。 

 とはいえ、自称人生経験豊富な後期高齢者のおじさんも頭を抱えてしまいました。人生を案内するのは難しいです。(イデちゃん)