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屋根のない学校をつくろう

赤石山脈を貫いて弾丸列車が通る

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赤石山脈と並行する伊那山脈を望む(イデちゃん)

 

 リニア中央新幹線の長野県豊丘村のトンネル工区で11月8日、土砂が崩れる事故が起きました。1027日には岐阜県中津川市の工事現場でも崩落事故があったばかりです。どちらの事故も爆破作業中に発生したもので、安全が確認できるまで工事を中断し、原因を調査するとのことです。

 

リニア中央新幹線南アルプス赤石山脈)を貫通して岐阜県に抜けるルートを取ることになっていますが、糸魚川静岡構造線断層帯をトンネルで貫通しなくてはなりません。計画段階から断層帯にトンネルを掘ることの危険性が指摘され、工事の難しさが予想されていました。2回の崩落事故はそうした指摘の予兆なのでしょうか。連続するトンネル工事の事故は気になります。

 

 赤石山脈を貫いて弾丸列車が通る」という話を聞いたのは小学生の頃でした。母校の小学校は天竜川の河岸段丘の先端にあり、校庭からは南北に連なる赤石山脈の峰々を眺望することができました。「あの山の下にトンネルを掘って、東京から一直線につながる線路ができる」という父の話はあまりにも壮大過ぎて、容易に理解できませんでした。北から南へ仙丈、塩見、荒川、赤石、聖と続く山塊は高く大きく、その山々の下にトンネルを掘るなどと言うことは想像を絶していたからです。

 

 それから70年近い年月が過ぎ、とても無理と思っていたことが次々と現実化されて、本当に南アルプスを貫き「リニア新幹線」という「弾丸列車」がやってくることになりました。でも、リニア新幹線はほとんどがトンネルで、長野県での停車駅も地下に造られるということですから、校庭の端に立って想像した「南アルプスを突き抜け、眼下を爆走する弾丸列車」の勇姿を見ることはできません。

 

「東京から40分」――リニア新幹線のキャッチコピーです。70年前はローカル線と夜行列車を乗り継いで8時間以上かかっていた東京まで40分で行けるようになります。そうなったらどんな生活が始まるのでしょうか。想像するには歳を取り過ぎたようです。(イデちゃん)