idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

ツルツル面接

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ツルツルじゃない、なんだか魅力的なミカン。品種は何?(マツミナ)

 

 「ちょっといい話」になるのは、イデちゃんと市役所職員がお互いの出会いを大切にしようという思いがあるからかな、と昨日のブログを読みながら考えていました。相手が誰でも一期一会、出会いを大切にしたいと思えば、丁寧に対応するのかもしれません。となると、何も引っかからないのは――。

 

 「今年は異常です。こんなに引っかからない学生ばかりとは」と残念そうに話すのは、IT関係の中小企業経営者。採用面接を重ねる中で、異変が起きていると感じているのです。何も引っかからない「ツルツル面接」が例年に比べて相当に多く、しかも長く続いているというのです。

 中小企業にとっては、学生はまさに「金の卵」。大企業志向の強い学生が、そもそも希望してきてくれないからです。だから社長は、なんとしてもいいところを見つけて採用し育てていきたいという思いを強く抱いています。いきおい面接は「学生本人も気づいていない、きらりと光る何か」を探す時間になります。履歴書を片手に、志望動機、学生時代に力を入れてきたことなどを質問していきます。ところが今年は例外なく、どの会社で答えても通用するような、あたりさわりのない言葉ばかりが返ってくるそうです。当然、採用には至りません。

 いつもなら面接が一段落しているこの時期にも、そうした学生がひきも切らず面接を受けにくるのも今年の特徴とか。聞いてみると、複数の内定を持っているのに就職活動をやめられない学生たちだとわかりました。ツルツルで引っかかりようがないのはお互い様。学生にしても、なんとなく受けたら内定しちゃった。でも、なんでこの会社なのかは自分でもわからない。その結果「どこかにあるかもしれない出会い」を求めて、終わりの見えない放浪を続けているようです。

 「コロナでリモート環境に慣れてしまい、人との関わり方を忘れてしまったのだろうか」と社長は心配しています。

 こうした傾向は他の企業からも聞きました。どこかにあるかもしれない出会いを求めているうちは、目の前の出会いは通り過ぎる風景に過ぎないのかもしれません。(マツミナ)