idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

青は藍より出でて

 

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今日の甘味は格別(マツミナ)

 今日(7月3日)は帝京大学でマラソンQを開催しました。新聞記事を自分以外の誰かになりきって読み、問いを立てる。いつもの「質問力を磨く(Class Q)」の長尺版、5時間考え続ける授業です。授業ではあるけれど、学生に進行と運営を任せました。帝京、上智両大学から1人ずつを統括役として指名しました。

 結論から言えば、任せてよかったと実感しています。2人の学生の進行ぶりから、紙の新聞を教材にする意味、チームワークの重要性といったClass Qの肝を理解していたことを確認できました。

 

 今日、2人が教材に選んだのは読売新聞朝刊8面「国際課税10月最終合意へ 法人税15%以上など」。経済協力開発機構OECD)が、法人税の最低税率を世界共通で15%以上にすることなどを盛り込んだ新ルールについて、130か国・地域が合意したと発表した、というニュースです。ファーストリテイリングの株主になりきって問いを立てる、という設定です。ファーストリテイリング関連では、同じ朝刊の2面に「仏司法当局 ユニクロ捜査 告発が発端 NGOウイグル強制労働で利益』」が掲載されていました。ファーストリテイリングを出すのなら、どう見てもこちらの記事が本命のようです。なぜ8面を教材としてあげたのか…。

 種明かしは、マラソンQの終了直前でした。当初、教材として示そうとしたのは、やはり2面。でも、それではみんな「人権問題」としか捉えないだろう。まずは世界的な経済の枠組みについて考えてほしい。紙面をめくれば、2面の記事だけでなく、いろいろな記事が目に入るだろう。株主として、配当が増えるということだけでなく、SDGs、ESGも視野に、世界から尊敬される企業であることを求めないだろうか。新聞の総覧性、「なりきる」を通して得てほしい当事者意識を、マラソンQに注入しようとしていたのです。

 マラソンQの準備を通して、2人はそれぞれが抱えるチームで働くという共通の課題にも切り込んだようです。2人はいつもチームワークに苦戦しています。「(ワークに協力しない)タダ乗りが多い」「調べ物を頼んだのに、何もしてくれない」と愚痴をこぼし、仕方がないから自分ひとりで抱え込む、を繰り返していました。

 今回指名する際には、2人共通の課題について指摘しておきました。その言葉をどこまで認識していたのかはわかりません。結果的には、他のClass Qの仲間も動かし、話し合いを重ねながら今日を迎えたことがわかりました。

 青は藍より出でて…。いや、あまり褒めると天狗になるから、この辺でやめておきましょう。楽しい1日でした。(マツミナ)