母校でQ
今日は会議ばかりの1日でした。オンラインとはいえ三つも続くと、さすがに頭の芯が痺れているような感じがします。その一方で、始まったばかりの「畳水練」のことを考えています。どうやって知の大海に飛び込み、研究するか。ゴールになる論文を書かせるか。
畳の上でいくら泳ぎの練習をしても、何の役にも立ちません。そもそも水が怖いと尻込みしている人を大海に叩き落としたら、もっと嫌いになってしまうかも。イデちゃんのご助言通り「洗面器に水を汲んで顔をつけ、そのままブクブクと息を吐くといった練習」から始めるのが無難かな、とも思います。
「論文が怖い」と言っているそばから、全く新しいことを始めようとする学生がいます。授業の後、「全くの思いつきなんですが」と1年生が恐る恐る近寄ってきました。
「『質問力を磨く』を高校でやったらいいと思うんです。僕は、こういう授業にもっと早く出会いたかった」
先ほどまで、「論文を書いたことがなくて、不安です」と口にしていたよね。「もう、時間がない」と焦ってもいたはず。そんな表情をしていたことすら忘れたのか、ClassQへの思いを語ります。今まで味わったことがない刺激的な教室の空気。それが自分を魅了したのだというのです。
ほお、それは嬉しい。で、何を思いついたの?
「母校でこの授業をやってもらえないか、頼みに行ってもいいですか」
面白い。すぐにプロジェクト名を思いつきました。「母校でQ」。
もちろん、やりなさいよ。そこで授業をするのは、あなただよね。ただ、今年学び始めたばかりの人がこの授業を自分ひとりで展開するのは難しい。先輩たちを巻き込んでやってごらん。でも、高校に頼みに行くのなら、まず企画書ぐらいは持って行かないと、先生方も困るね。そこまで聞くや、もう満面の笑顔で「わかりました」と飛び跳ねるように教室を出て行きました。
学生は結局、企画書も書かずに母校に飛び込み、先生の快諾を得たそうです。その後、届けられた企画書を見たら、こりゃひどい。企画書とは名ばかりの内容に、「先輩たちの力を借りて、推敲しなさい」とつき返しました。でも、内心では嬉しくて仕方がありません。水が怖いと言っていた学生が、なぜか隣のプールに現れ、飛び込み台から勝手に飛び下りているのですから。
しばらくは、ツッコミどころ満載の企画書と付き合うことになるでしょう。最終課題も忘れないでいてほしいものです。(マツミナ)