idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

自分で役割をつくる

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カボチャはどんな料理法でもおいしい(マツミナ)


 「考える先生」育成プログラムのたたき台づくりは、まだまだ麓にいる段階です。イデちゃんが昨日報告してくれたように、踏み固められた道があるわけではないから、はたから見ると無謀かもしれません。でも、当の学生も一緒に話し合う中で、大まかな道すじは見えてきました。

 

 今年4月から学生は中学校に毎週通い、生徒や先生たちの日常を「見る(観察する)」に徹してきました。11月からはそこで抱いた問いのうち一つだけを先生にぶつけることができます。この質問は次の段階へのかけはしです。

 来年春には、登り道が始まります。学生は観察・質問を踏まえて、自分の「役割」を自分でつくり、学校の日常に参加します。

 そもそも学校にはどんな「役割」があるのでしょうか。例えば、ボランティアとか、地域サポーターとか? それが生徒や先生の日常をどう支えているのでしょうか。それは十分でしょうか。逆に必要なのに全くない役割は何でしょうか。あったらいいな、こんな役割なんてものがあるでしょうか。中学校が担っているミッション、組織全体、生徒、先生、保護者、地域との関係を考えたうえで、役割を見つけ出し、さらに自ら実践するのです。

 

 役割は、制度に組み込まれると「職種」になります。企業ならば、営業や広報、人事などが挙げられます。設立当初から職種があって人が配置されている場合もあるけれど、必要があって誰かが役割を担い、やがて制度化されたという企業もあります。「質問力を磨く(Class Q)」の学生たちは、職種をテーマに企業を取材する中で、その話を聞いているはずです。

 でも、聞くのと自分で探してつくるのは大違い。これまでの経験をどこまで自分の血肉にしているかが問われるところです。ないものを探す――クリティカルシンキングの力を試されることになります。

 

 「自分で役割をつくる」の後は、学生は教育実習に参加することになります。これはできあがったプログラムなので、送り出す大学と受け入れ先の学校が、手取り足取りで導いてくれます。実習に行った学生たちに感想を聞くと、ほぼ例外なく「楽しかった」というのは、「お客さま」でいられるからでしょうか。自分で道をつくりながら歩いてきた学生が、できあがったプログラムに身を置くことで何をどう考えるのでしょう。

 

 見る・問う→自分で役割をつくる→教育実習――この大きな流れの中で、学生は「自分自身を教員として育て続けるカリキュラム」をつくれるような力を獲得する、そして絶えずカリキュラムを修正しながら実践していくことができる。

 それが「考える先生」育成プログラムの狙いです。(マツミナ)