追う・追われる
「質問力を磨く(Class Q)」の学生が書いたリフレクションシートを読んでいると、誠実さに胸を打たれることがしばしばあります。
ある学生は、学園祭のバンド練習で課題に取り組む時間がなくなったことに困っていました。学園祭が終わったら何とか時間ができる、と考えていたのに、いざ終わってみると、気が抜けてやはり課題に手がつかない。そんな時に、ふと同じ教室の仲間の課題を見て、青ざめます。
「◯◯さんは、ミナ先生から『情報カードを30枚以上書いてきなさい』と言われて、100枚書いてきた。きっと仕事ができる人とはこういう人なのだろう。やった方が力がつく、と思ったことは、必ずやり遂げるのだろう。だから私は◯◯さんに追いつけない。今までに何回も追いつこうとして挑戦をしてきたが、勝てたことなど1回もなかった…」(男子学生)
当の◯◯さんはこう書いています。
「ミナ先生から『30枚以上』と言われた時、ノートには『50枚以上』と書いた。次に先生が『50枚以上』と言われたとき、絶対に100枚以上書くと決めた。言われたことをやっているだけでは、成長は高が知れている。私は追う側なのだ」
そうした切磋琢磨は、他の学生にも影響を及ぼします。2人の課題を見て、自分の課題を書き直す学生も出てきます。
他者と比較することは劣等感につながるし、他者による評価で傷つくこともしばしば。でも「親ガチャ」に救いを求めることもなく、自分や仲間に向き合う学生の姿に、こちらも背筋が伸びるような思いがします。(マツミナ)