idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

推敲リストを自分でつくる

f:id:Question-lab:20201211213231j:plain

蔦葉海蘭(ツタバウンラン)。長い茎は、光を求めて。(マツミナ)



 

 「質問力を磨く(Class Q)」では毎回、その日の読売新聞朝刊のある記事を「自分以外の誰かになりきって」読み、質問を作ります。本日(12月11日)の紙面では、「経済再生へ減税拡大」「現役世代の軽減額限定的」など税制改正についての記事を「青森県の30歳女性になりきって」読み、「彼女」が抱くであろう質問を作ります。学生たちはチームで課題に取り組み、1週間後の授業で発表します。

 今日は課題を増やしました。チームで「推敲チェックリスト」も作りなさい、と。

 きっかけは女子学生からのメールでした。「推敲リストを作ったので、先生、推敲してください」。それを見た瞬間、思わず膝を打ちました。これだ!

 

 ClassQで目指しているのは、「自分にしか書けないことを、誰にでもわかるように*」。それには、論旨明快で適切な言葉遣いができているか、何度も推敲することが重要です。彼女は「何を推敲したらいいのかわからない」と疑問を抱いたからこそ、自分でリストを作り、私に添削を求めてきたのでしょう。

 添削して返すこと自体は簡単だけれど、彼女と私だけのやりとりではもったいない。Class Qの全員が、自分の文章を推敲するチェックリストを持てばいい。文章を推敲しなさい、こういう点に気をつけなさいと言われても、所詮、他者から与えられたルールにすぎない。自分のものではないから、「やらされ感」がつきまとい、いい加減にしか耳返さない。でも自分で作ったルールなら違うかもしれない。

 

 「たたけよ、さらば開かれん」。1週間後、学生たちはどんな推敲リストを見せてくれるのか。そのリストでチェックした文章は、これまでとどう変わっているのか。新しい学びの扉が開かれそうな予感がしています。(マツミナ)

 

*「高校生のための文章読本」(梅田卓夫、清水良典、服部左右一、松川由博編、ちくま学芸文庫)からいただきました。名著です。