idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

Class Qは大学生の「総合的な学習の時間」

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明け方の太陽が、空と水面に絵筆を走らせていた。太陽は楽しく描いていたに違いない、と勝手に想像している(撮影・マツミナ)

 それなりの成績はとれるけれど、決して楽しんで勉強しているわけではない——。そんな中学生の姿が国際教育到達度評価学会が8日に発表した「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の2019年の結果から浮かび上がりました。

 点数で見ると、日本は小学4年、中学2年生の算数・数学、理科の全てで国際平均を上回り、前回15年調査に続いて5位以内を維持しています。好成績の一方で、小48割近くが「楽しい」と答えている算数の勉強が、中2になると約半数が「楽しくない」と感じていることもわかりました。

 日本の子どもたちの自己肯定感が、学年が上がるにつれて低くなることは全国学力・学習状況調査などで明らかにされています。私は、このことと、TIMSSが明らかにした中2の半数近くが「楽しくない」と感じるようになることは関係しているのではないかと考えています。勉強が義務感や脅迫感に支配された苦痛でしかなかったら、学んだことを人生や社会の在り方と結び付けて考えることなど到底無理な話で、自己肯定感など高まるはずがないと思うからです。

 学習指導要領は「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指して授業の改善を求めています。「どのように学ぶか」という学習方法にまで踏み込んだところに、児童・生徒の学習意欲を何とか高めたいという思いが現れています。

中でも期待されていたのは「総合的な学習の時間」です。「横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに、学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにする」(学習指導要領「総合的な学習の時間」の目標)ことを目指して開設されました。

 こんなすばらしい目的だと理解しながらも、学校現場は当初、準備の大変さもあって、各教科の学習に比べ成果に疑問を持っていました。さらに、小学校 56 年で英語が教科になることを受け、文部科学省 2018 年度から2年間、授業時間確保のために総合学習の一部を「英語」に振り替える措置を容認しました。総合的な学習は学ぶ楽しさを知り、進んで取り組む意欲を育てる絶好の機会なのに、もったいない話です。

 

「質問力を磨く(Class Q)」は大学生の「総合的な学習の時間」ですね。改めて学習指導要領を読み、そう思いました。そこで学ぶ学生たちに小・中・高で、どのような総合的な学びを経験してきたか、今度会った時にぜひ聞いてみたいな。(イデちゃん)