idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

買い物に財布、郵便物に切手、いつも心に質問を

 

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恐竜は、忘れた頃にやってくる。学校が休みの期間が近づくと、出没する(東京・西新宿で。マツミナ撮影)


 このところ質問力よりも、粗忽さに磨きをかけているような気がします。昨日は、八百屋さんのレジで、財布を持たずに出てきたと気づきました。2週間ほど前は、私淑する教育社会学者A先生とばったり出会い、喫茶店にご一緒できて有頂天になったものの、会計の際に……。A先生、ごちそうさまでした。

 先日の「質問力を磨く(ClassQ)」でも、やってしまいました。

 

 自分以外の誰かになりきって新聞を読み、質問をつくる――これがClassQのスタイルです。この日のClassQは「青森県むつ市民になりきって」。多くのチームが「農家の◯代男性(女性)になりきって」と設定していました。地方を舞台にすると、必ずといっていいほど、学生は「誰か」を農業従事者にしてきます。地方でつける職業は農業と思い込んでいるのか、単なるイメージなのか。地方出身の学生も少なくないだけに、不思議な現象です。

 そこで、なぜ農家なのかと尋ねたところ、あるチームが「地図を見たら、畑のマークが多かったから」と説明してくれました。お、根拠がある。しかも地図を見て畑があるから、農家もたくさんあると推測したのか。感心したその瞬間、学生に投げかけたい質問が頭に浮かびました。「なぜ、そこが耕作放棄地ではないと考えたのか」

 「耕作放棄地」とは、「以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を栽培せず、この数年の間に 再び栽培する意思のない土地」(農水省ホームページ)を意味しています。高齢化、後継者不足の深刻化とともに、全国的にその増加が問題になっています。

 むつ市も同様の状況を抱えているようです。市のホームページでは、耕作放棄地が増えないようパトロールを強化し、それらしい土地を見つけたら情報提供してほしいと呼びかけています。地図に「畑」と書かれていても、その通りの風景が広がっているわけではないのです。

 といったことを伝えようとしたら、これまた伝え忘れてしまいました。悔しまぎれに「学生が耕作放棄地の存在に気づいていなかった」とイデちゃんに愚痴ったら、「今どき、学校の先生だって耕作放棄地なんて知らないよ」と言われて、余計に粗忽な自分に腹が立ちました。先生が知らないからこそ、未来を担う学生に伝えておくべきでした。

 来年こそは粗忽さではなく、質問力を磨くと心に誓ったクリスマスイブ。夕方、家の郵便受けをのぞくと、見覚えのあるクリスマスカードが。切手を貼り忘れていたために、舞い戻ってきたのです。

 買い物に財布、郵便物に切手、心にはいつも質問を。(マツミナ)