idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

今日のベスト

f:id:Question-lab:20210109204638j:plain

2チームの作品がNo.1に選ばれた。参加した学生や企業関係者が投票した

 

 私はどんな子どもだったか、ですか? 

 端的に言えば、親に心配かけ通しの子でしたよ。いじめに遭って小学校に背を向け、家で絵を描いたり本を読んだりして過ごしていました。学校にも先生にも不信感を募らせていた私が、まさか大学で「学び」を語ることになろうとは。母と父は、あの頃をふりかえって笑っているかもしれません。

 

 1月9日は「質問力を磨く(ClassQ)」のポスターセッションで、帝京と上智の学生が対面とオンラインで参加しました。

 テーマは職種研究。授業にご協力くださっている東京中小企業家同友会加盟社から学生たちが企業を選び、その会社の「ある職種」について模造紙大のポスターにまとめるという課題です。

 このテーマは、同友会の大脇耕司・ソアーシステム社長の提案です。企業にはどんな職種があるかを知らず、どんな仕事をしたいのかすらも考えずに、闇雲に就職活動をする学生たちを心配しての提案でした。

 課題は、チームでの取り組みです。学生は例外なくチームワークが苦手のようです。全11チームは企業を選ぶところから四苦八苦。企画書やインタビューの質問のまとめ、そして取材。このあたりで空中分解寸前のチームもありました。ポスター描きに至っては…。それでも本番直前には、全チームが自主的に集まり、オンライン上で質問をぶつけ合い、ブラッシュアップを図っていましたた。

 現場で働いている人たちから見れば、仕事への理解がまだまだのようで、本番では厳しい評価もいただきました。学生たちはぐうの音も出ません。でも、ここで落ち込んだり、もう終わったからと放り出したりしたら、もったいない。伸びしろいっぱいの人たちですから。

 そこで、学生たちには「これは、今日のベストだ」と伝えました。今日の学びは、明日の肥やし。絶えず磨き続けてほしい。嬉しいことに、何人ものリフレクションシートの中にその言葉が書かれていました。「今日のベストを超える」と。

 

 いじめで家にこもる娘を見る母も、こんな言葉を自らに言い聞かせていたかもしれません。「これが今日のベストだ」。明日の成長を信じていたのでしょうか。(マツミナ)