idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

学びよりも「わきあいあい」が大事

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ヒナたちの動きがスピードアップしていた(マツミナ)

 学生たちにとって「雰囲気」はどんな価値を持っているのでしょうか。

 授業中のつぶやきやリフレクションシートの記述から考えると、とてつもなく重要なものかもしれません。どんなことを学んだか、どんな力をつけたか、よりも「わきあいあいとやれた」「盛り上がった」に力点が置かれているようなのです。

 

 「質問力を磨く(Class Q)」では、学生たちが発表します。発表準備のために、授業外で何度もチームワークをします。まずチームのメンバーが集まれる日程を調整する、対面かZoomで調べたことを持ち寄り、チーム内で議論を重ね、発表に向けた資料を作る。当日は発表するだけでなく、チームで質疑応答にも臨みます。

 問題は、授業外で起きているようです。まず日程調整でこじれます。毎週のように、「○◯が非協力的で、日程調整ができない」などといった声を耳にします。何とか日程調整ができても「▲△は調べ物もしないでくる」「●◯と△●はおしゃべりばかりしている」…。議論にならず、時間ばかりがかかり、発表資料も「やっつけ仕事」になってしまうようです。当然、リフレクションシートには、満足できる資料を作れなかったことへの反省と悔しさが書かれることになります。

 

 下調べもしてこない学生には「ちゃんと調べてきてよ」と注意すればいい。無駄話ばかりしている人にも「時間がないから協力して」と言えばいい。それだけの話なのですが、学生にそう助言しても「でも…」と言葉を詰まらせます。言えないというのです。「雰囲気が悪くなるから」。

 

 Class Qで目指しているのは、「自分にしか書けないことを誰にでもわかるように」。独創的な内容を、論旨明快に、適切な言葉を使い、誤解なく伝わるように、推敲を重ねて表現する。中でも学生たちが最もリフレクションシートに書いてくるのは、「自分にしか書けない」=独創性です。あこがれているといってもいいでしょう。少なくとも「みんなと同じでいい」とは思っていないようです。

 きらりと光る自分でいたい。でも、みんなの和を乱すようなことはできない。だから、雰囲気を悪くしない程度の意見を言う…。なぜこんなことになっているのでしょうか。学生たちはこうした状況をどう考えているのでしょうか。

 

 明日、明後日の授業で目を凝らしてきます。(マツミナ)