idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

原稿を読み飛ばしたSくんは、自らあいさつ文を書く人になるか

 

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スピーチの前にはスイーツ(マツミナ)

 広島で平和記念式典であいさつ原稿を読み飛ばした人が、もし「質問力を磨く(Class Q)」に来たら……。昨日のイデちゃんの記述を見て以来、ひとり想像しては笑っています。

 

 仮にSくんとでもしておきましょうか。読み飛ばした部分は、「我が国は核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり、核兵器のない世界の実現に向けた努力を着実に積み重ねていく」と書かれた、原稿の肝の部分です。それを読み飛ばしてしまったのは、Sくん自身がなんのために広島に来たのか、ここで何を言わなくてはいけないのか、そもそも自分は何者か、をしっかり自覚していなかったからでしょう。学生に置き換えてみると、「なぜ自分はこの大学に来たか」「ここで何をすべきか」に当たるでしょう。この自覚ができないと、ちょっとしたつまずきが致命傷になりかねない。つまり退学の引き金になりやすいのです。そういった実例をずいぶん見てきました。

 

 でも、Sくんは心配しなくても大丈夫です。そういう学生であっても、Class Qの学生たちとの切磋琢磨できっと大化けしますよ。Class Qの学生は、あえて過酷な授業を取りに来るチャレンジャーぞろいです。今も夏休みを返上して、企業にインターンシップに出かけ、最終課題で書いた自らの論文を検証しています。

 今日はある学生から電話で相談がありました。「◯▲社のインターンシップにはプログラミングもあるみたいなんです。私はプログラミングなんてわからないんですが、迷惑じゃないでしょうか」。企業の方は、あなたが未経験者であることを知って声をかけてくれるんだから、行ってらっしゃいよと助言しました。

 この学生は春学期の単位を落としました。

 「単位が目的でClass Qに来ているんじゃない。バカな自分を何とかしたい」

そう話していました。

 どうです、Class Qの学生、すてきでしょう。

 別の学生たちは、どういう工夫をしたらみんなが自主的に社説の視写などに取り組むかを考えています。これまで私がしてきた工夫には問題があると厳しく指摘してくれました。学生と同じ目線で、自ら学ぶ、学ぶ意味を考える、成長を実感できる、そんな工夫や仕掛けを提言してくれるはずです。

 

 最初から学ぶ意欲のある学生はそうはいません。でも好奇心を持てば、社会の問題を次々に見つけ、仲間と議論を重ねながらその解決の糸口をつかめるようになるはずです。そうしたら、あいさつ原稿なんかは自分で簡単に書けるようになり、読み飛ばしなんかなくなりますよ。

 Sくん、Class Qに来て、学生と一緒に新聞を読むことから始めませんか。(マツミナ)