idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

いささか気になること

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左に稲田、右に蕎麦畑、道は黒姫山を目指す(イデちゃん)

 

   今朝(9月23日)の東京新聞がこう報じていました。

 「東京都町田市立小学校の6年生女児=当時(12)=が2020年11月、いじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、石阪丈一市長は22日の記者会見で、新たに市長直属のいじめ問題調査委員会を年内にも設置する方針を明らかにした。弁護士や学識経験者ら第三者の委員5人で構成し、学校貸与のタブレット端末を使うなどの、いじめの経緯や自殺との因果関係を調査する」

 

   これまでの報道によれば、授業で使うために学校から1人1台配られたタブレット端末を使って、女子児童に対する悪口がやり取りされていたということです。タブレットに残されていた書き込みが何者かに消去され、内容の確認はできていないようです。

 文科省が町田市教委から聴取した情報によれば、パスワードは全員共通で、IDも児童の出席番号や年度など容易に類推可能な数字を組み合わせたものであったために、本人以外の人が誰かになりすまして書いたり消したりできたようです。

 そこで、文科省はパスワードの適切な運用について各教育委員会にあらためて周知徹底を図るために「小中学生に1人1台の端末を配る『GIGAスクール構想』について文科省が17日、全国の教委担当者約1000人と開いたオンライン会議で、パスワードとIDの管理方法などをさっそく指導」しました(9月17日付東京新聞)。

 

 改めて「いじめ」の新聞記事を辿ってみると、ここまでは学校で大きな「事故」が起こった時の「定番の筋書き」のように見えますが、耳に入ってくるいろいろな情報を重ねてみると、いささか気になることがあります。

 聞くところによれば、事故の起きた小学校は町田発未来型教育モデル校として、Edtechを活用した新時代の学びに挑戦しているICT教育先進校だそうです。事故当時の校長はICT教育に20年以上も関わり、教育の情報化に関する手引の作成、中央教育審議会委員、内閣府の青少年インターネット環境の整備等に関する検討会の委員などを務めて来た人です。そんな校長が指導してきたICT教育先進校に対して、今更「パスワードとIDの管理方法」などという初歩的な指導するのは「釈迦に説法」のようなものでしょう。

   この学校はICTを活用した教育研究について全国規模の公開発表会を開いています。文科省のI C T担当者も参観していたのではないでしょうか。仮にいたとしたら、その時、なぜ、パスワードとIDの管理に疑問を持たなかったのでしょうか。それともGIGAスクール構想を牽引する学校だから「見て見ぬ振り」でもしたのでしょうか。まさかとは思いますが、今回の文科省の手早い対応を「トカゲの尻尾切り」と勘ぐりたくなる手合いもいるかもしれません。

 

 いずれにしても、学校貸与のタブレット端末が「いじめ」の手段に使われたとすれば、学校の不作為は当然問われることになりますが、これは「他人を傷つけることを書き込まないなど留意事項を整理したチェックリスト」(文科省)を示して注意を喚起すれば済むような問題ではありません。第三者委員会の「深掘り」を期待します。(イデちゃん)