idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

封印した天気予報アプリ

   

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「孤高」のサギが飛び立つ(マツミナ)

 今日はひどい天気でした。横殴りの風雨の中を歩いていると、増水した川に立つサギの姿が目に入りました。「孤高」という名にふさわしい、凛とした姿でした。

 

 その姿を見ながら思い出したのは、学生の失敗談です。

 ある日、学生が拙宅に遊びに来ました。その日もあいにくの空模様。にもかかわらず、学生は傘を持参していませんでした。傘は持ってこなかったのかと尋ねると、「ネットで天気を検索したら、晴れと出たもので」。どんよりした重たい雲が朝から垂れ込めていたことには、気づいていたといいます。でも、自分の目で見た情報はそっちのけで、なぜかネットで「今日の天気」を検索してしまったのです。

 その後、学生は天気予報のアプリを開かないことにしたそうです。

 

 ネットに流れる情報を鵜呑みにするのは、学生だけではないようです。先日、読売新聞に72歳の女性がこんな投稿をしていました。

 「40年来の友人と絶縁した。才色兼備で私が最も尊敬し、信頼できる女性だった。

 昨夏、彼女と米大統領選の話をした。彼女は『トランプ氏の大ファンだ』と言った。その後、『この世は闇の政府に支配されている』『トランプ氏は命を懸けて戦っている』と発言はエスカレートしていった。

 彼女は新聞やテレビを見ず、SNSで情報を得ていた。議事堂占拠事件はマスコミのでっち上げで、今にどんでん返しが起こると言い切った。だが、大統領就任式はあっけないほど平和的に終わり、バイデン大統領が誕生した。

 こうした発言は彼女だけではない。他の知人の3人も異口同音だった(略)」(2021年2月17日付読売新聞朝刊)

 

 増水した川に立つ「孤高」のサギは、向かい風を受けながら、翼を広げ飛び立っていきました。情報の大洪水の中で、私たちはどう生きていったらいいのでしょうか。(マツミナ)