idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

夫婦別姓は合憲…

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陸に上がった親子。頑張れよ(マツミナ)

 夫婦別姓を認めない民法は合憲だと、最高裁判所が認めたそうです。やっぱりね。以前も同様の判断が示されていたので、予想はしていましたが、がっかり。

 NHKニュースによると、違憲と判断した裁判官は4人いました。そのうちの1人、検察官出身の三浦守裁判官は反対意見を次のように述べているそうです。

 

 「夫婦の名字を同じにする現在の制度は、現実的に女性に不利益を与えている。夫婦別姓の選択肢がないことは、婚姻の自由を不合理に制約していて、憲法に違反する」

 

 その通り! この問題で不利益を被っている多くは、女性です。民法ではどちらの姓を名乗れとは要求していませんが、女性の9割以上が自分の名前を変えているそうです。なぜなのでしょうか。こんな状態を生む規定がなぜ合憲なのでしょうか。「質問力を磨く(Class Q)」の学生たちはこの問題をどう考え、切り込むでしょうか。企業人だったら、どんな問いを立てるでしょうか。

 

 昨日、企業人を対象にした上智大学「プロフェッショナル・スタディーズ」の春学期が終わりました。最終回の課題は、イスラエルパレスチナ問題。12年ぶりの政権交代を「東パレスチナに住むユダヤ人」の視点で考えるという内容でした。

 当初、大半の受講生はポカーンとしていました。「あまり関心がなくて…」。問いもそれほどは出てきません。でも、これで終わらせたらもったいないので、宿題にしました。チームでタイトルと三つの質問に仕上げてもらいます。

 

 1週間後の昨日、全チームに成果を見せてもらいました。どのチームも本や新聞、論文などでみっちりと調べ、議論を重ねてきたのがわかる力作でした。1週間前とは次元が違う内容です。リフレクションシートには、どんな学びだったかがつづられていました。

 

 「久しぶりに本を読み漁った。ネット情報も検索し、週末にはチームのメンバーとオンラインで議論した。とても楽しく、知識を増やす喜びを改めて感じた」

 小さいお子さんがいらっしゃる受講生です。必死に本を読み、オンラインで仲間と議論をしている親の姿は、お子さんの目にどう映ったでしょうか。

 

 いつも固い表情だった受講生からは、熱い感謝の言葉をいただきました。

 「とても刺激的なワークだった。今まで宗教的なもの、イデオロギーについて全く考えてこなかった。(ユダヤ人の)宗教を重んじる生き方を学ぶことは、自らの人生を考えることにつながった。『質問力を磨く』に感謝」。

 

 それにしても「夫婦別姓は合憲」…。なんでだろう。(マツミナ)