idematsu-qのブログ

屋根のない学校をつくろう

運転免許更新高齢者講習

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夏休み(イデちゃん)

 昨日、運転免許証更新のための検査と講習を受けました。5月に受検した認知機能検査で76点以上の場合は記憶力・判断力に心配はないと判定され、次の高齢者講習(2時間コース)に進むことができます。

 前半の1時間は測定と座学です。測定は静止視力、動体視力、夜間視力、視野の4項目です。それぞれの項目について器具を使って検査が行われ、現在の年齢層を基準にした判定と若い世代(30歳~59歳)の基準と比較した判定がなされます。

 動体視力は若い頃を「5」とすると、現在の視力は「2」に相当し、かなり低下していました。身体能力は自分が思っている以上に退化していることがわかりました。

 講師の話では「高齢者は動きの速い対象物を追い切れなくなる。だから、脳は経験に基づいて予測・修正して判断するが、対象物の動きと予測が外れると思わぬ事故に繋がる」ということでした。

 

 興味深かったのは「盲点と死角」です。間隔を空けて二つのマークが付けられたカードを目に近づけてくると、片方の印が見えなくなり、さらに近づけると再び現れます。視界から消えた印が再び現れるまでの範囲が「盲点」です。

 「盲点を突く」と言いますが、実際に剣道やフェンシングでは、この角度から剣先が出てくると気付くのが一瞬遅れ防御しにくく、達人はそこを突くのだそうです。

 「車を運転していて、突然人や車が出て来て驚いたことがあるでしょう。それは『盲点』の中に人がいたために、本当に見えていなかったのです。左右を確認する時には目で追うだけでなく首も回して、盲点をなくすようにして下さい」と言われました。なるほど。

 

 後半は実際に車を運転して行う「運動行動診断」です。自動車教習所の練習コースを指示された順番に回って行くのですが、途中で「縁石乗り上げ」というのがありました。左前輪を縁石に接触させて停止し、アクセルを踏んで縁石を乗り越え、直後に停止させます。縁石は結構高さがありますから、かなりエンジンを回転させないと乗り越えられません。アクセルを踏み込んで乗り越え、すぐにブレーキをかけるという操作を冷静にできるかどうか確かめるのです。高齢者が運転する車がコンビニに突っ込んだとか、急にバックして防護柵を突き抜けて転落したとかいう事故がよくありますが、多くは慌ててブレーキとアクセルを踏み間違えたことが原因のようです。それで、似た状態の場所で実際に体験させて、注意喚起を図ろうということなのでしょうね。

 

 2時間の講習を終え、「若い時より運転能力が落ちていることを自覚して、くれぐれも安全な運転を心掛けてください」と念を押され、「高齢者講習終了証明書」をいただいて家に帰りました。受ける前は面倒な講習と思っていたのですが、自分の身体能力を知ることができ、意味のある時間となりました。(イデちゃん)